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第14章 修学旅行二日目 1

──修学旅行、2日目。 完全自由行動の今日。 俺たちの班は清水寺をスタートして河原町までのルートを歩く。 ほかの班は電車やバス、事前申請していたら乗れる修学旅行タクシーなんかを使うみたいだが、俺たちの班はせっかくなので京都の街並みを見ながら歩いていこうということになった。 俺たちの班は内川、修平、俺。 あと熾烈なくじ引きを勝ち抜いた女子3人組。 と言うのも、班構成は必ず男女3人ずつみたいなのが決まっている。 男女共に最初は仲のいいものが3人ずつ分かれ、そこからくじ引きをして6人1つの班にしていくのだが……。 ここでもやっぱり修平の人気はすごくて、くじ引きにかける女子たちの気迫は凄すぎた。 「新藤くーん、清水寺って初めて?」 「初めて。あ、千秋それ貸して」 相変わらず修平は、女子の話を淡々と目も合わせずに簡略な言葉でバサバサ切っていく。 明らかに興味がないという態度を取られたとしても、相当な倍率を勝ち抜いた女子たちは気迫が違うのであの手この手で修平に話しかけていくのだが……。 修平のガードは鉄壁のごとく固いのでみんな話が続かない。 修平がモテるのは仕方ないし、同じ班だから話したい気持ちもわかる。 女子がまとわりつくのはいただけないが、修平がああやって態度で示してくれるからぷち嫉妬心はあるものの自分が特別なんだって優越感もあって、そんなやり取りを見ていた。 「せっかくだから写真とらない? 新藤くん真ん中で!」 「僕、写真嫌いだから撮ってあげるよ」 ちなみに修平は写真嫌いではない。 俺と内川は昨日さんざん金閣寺で撮った。 けれど自分の知らないところで自分の写真が出回るのが気持ち悪いと言い、俺と内川は写真嫌いで通す旨を聞いていたのだ。 女子たちも勇気を出して言ったんだろうけど、あの柔らかな物腰で写真嫌いだから撮ってあげると笑顔で言われたらカメラを渡さざるを得ない。 ある意味、完璧な修平は計算され尽くしている修平なので気の毒だが、仕方ないと思う。

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