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14.修学旅行二日目 2

どんな方法を使っても何を言っても隙のない回答が返ってきて、がっくり肩を落としている女子たちに内川がフォローを入れつつ次の場所へと移動すると修平が俺の服の裾を掴んだ。 「見て、ここから見る清水の舞台は絶景だよ」 修平の指さす方を見ると、さっき覗き込むように地面をみた清水の舞台が真っ赤な紅葉の上にそびえ立つようで綺麗だった。 「すげー。写真撮っておこっと」 俺はスマホを取り出して清水の舞台を写真におさめた。 カシャッと自分のカメラで清水の舞台を撮ってその画面を見ていると、修平が横からその写真の画面を指差す。 「清水の舞台の支えてる木ってすごいよね」 「ほんとうだなぁ」 「もう1枚撮ろっと!」 俺がもう1枚写真を撮ろうとカメラを構えていると修平に呼ばれた。 「千秋、こっちむいて」 そう言われて俺が振り向いた瞬間……。 カシャッと、シャッター音が響いて、修平は嬉しそうにスマホの画面を覗いていた。 「不意打ちとか卑怯だ!」 「そう? なかなか自然な感じで撮れてるよ」 そう言いながら見せてくれた写真には清水の舞台を背にした俺たち(俺は間抜け面)が写っている。 「そんなことしてて、女子たちに見つかって私もーって写真責めに合っても知らないからな」 「僕がそんなへますると思う?」 やけに自信満々な感じが気に入らないが、修平がへまするとも思えず黙って歩いて行くと、修平がクスクスと笑いながらその後ろをついてきた。 「修学旅行中、たくさん写真撮ろうね」 「……別にたくさんとかじゃなくていい」 「そう? 僕は写真たくさん欲しいよ?」 すると修平は移動しながら俺だけに聞こえる声で囁いた。 「千秋と一緒に行ったところはどんな形でも記念に残したいから」 どくんっと修平の言葉が俺の胸を打った。

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