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14.修学旅行二日目 4

手を引かれ坂を下りながら少し振り返ってみると、内川たちがその石段を上って行っているのが見えた。 俺が手を引き寄せるようにすると、修平の足が止まり振り返る。 「さっきのさ、なんか俺の扱いひどくね?」 「何? 千秋はそんなに新しい縁が欲しいの?」 「そんなわけねーじゃん」 俺が軽く膨れながら否定すると修平はクスッと笑った。 「前にね聞いたことがあるんだ。縁結びで有名なところに結婚の報告をしにいくとその結婚はうまく行くんだって。でもね、カップルで行くと神様が嫉妬しちゃって別れちゃうらしいんだ」 「本当に? 修平はだから行かなかったの?」 「それ以外に何があるんだよ」 また当然というような物言いで俺を見つめる。 つまり、俺と別れたくないからって意味なんだよな? 「迷信かもしんないじゃん」 嬉しいくせにまた俺はそんなことを言ってしまう悪い癖が出た。 素直に喜んだらいいのにと、自分で言ったのに思ってしまう。 でもやっぱり修平は優しくて。 「迷信かもしれない。でも本当かもしれない。どんな理由でも千秋と別れたくないし、後悔もしたくないから。それに千秋に新しい縁が出来たら困る」 真剣な顔をして言う修平に思わず笑ってしまった。 「お前、頭良いのにバカだよな」 本当にバカだよ。 俺だってお前以上に好きになる奴なんていないのに。 お前以外の縁なんて求めてないのに。 でも現金なもので、それだけで心の中の小さなモヤモヤとか、ぷち嫉妬心とかが小さくなっていく。 俺も小さいことばかり気にしている俺もバカだったなぁ、なんて思いながら修平を見ると。 「僕は千秋馬鹿だからね」 なんて当然のように言う修平に笑ってしまった。 「俺だって修平以外の縁なんていらねーから」 そう言って坂を下りていくと修平は嬉しそうに笑いながら追いかけてきた。 ✳︎✳︎✳︎ 暫くして、再び合流した俺たちは幕末の歴史を堪能できる歴史館に行き、八坂神社を巡った。 ここで内川は恋みくじをしていた。ちなみに中吉だったらしい。 それから今は河原町に向かって祇園を歩いている。

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