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14.修学旅行二日目 7
「柏木、当たってるのか?」
「う、うん……当たってる」
するとおばさんは俺に、何の運勢を見て欲しいかと尋ねた。
「柏木も恋愛運みてもらえよ!」
先にみてもらっていた女子たちは恋愛運を見てもらっていて、きっと自分もそれが聞きたい内川が後ろから身を乗り出して言ってきた。
「恋愛運って」
と俺が戸惑っていると占い師のおばさんが優しく笑う。
「好きな子がいるなら相性でも占ってあげようか?」
「相性!?」
「相手の生年月日わかる?」
相性とかならちょっとみてもらいたいかも!? と、少し興味が湧いたので。
えっと……、修平の生年月日は……。と考えた時に、体の動作が止まった。
……あれ? 俺、修平の誕生日とか知らない。
そう言えば、今まで誕生日とか意識したことがなくて、聞いたこともなかった。
なんてこった……、今まで気が付かなかったなんて。
それで振り返ってみると、修平の姿もなかった。
修平、どこに行ったんだろう。
修平がいないことを知ると、その方が気になって占いなんてどうでもよくなってしまう。
「やっば相性とかいいや。ありがとう」
そう言って500円払って席を立つと、今度は内川がそこに座った。
俺は女子グループに修平の行方を聞いてみる。
「修平どこいったか知らない?」
「そういえば、占いに夢中で気づかなかった。買い物かな?」
なんだよ! 普段は修平の周りをちょろちょろしているくせに、こんなときに知らないなんて。
とりあえず、俺は近くを探してみる。
また、誰かに声をかけられてるんじゃないかって思ったら、またあのモヤモヤしたものが胸の奥からわきあがってくる気がする。
……嫌だな。
女々しいとは思うけど、俺の中の嫉妬心が膨らんでいくのを止められない。
そんなに遠くには行ってないはずなので1本1本路地に入って探してみた。
すると、何本目かの路地に入ったところで修平の姿を見つける。
しかも隣にはお洒落な女の子がいて笑顔で会話を交わしているじゃないか。
普段はどんな人が相手でも外面の仮面を崩さないのに、嬉しそうな顔をしているなんて。
信じてないわけじゃないのに、不安に感じてしまう。
「修平!」
考えるより行動が先にでて、気がついたら修平に呼びかけていた。
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