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14.修学旅行二日目 10
それはあまりにあっさりと俺の心のモヤモヤの真髄みたいなものを言い当てられたような気分だった。
そう思ったら、急に目の前の霧が晴れたような気がして、妙に納得した。
「……そうだよ。俺は修平が好きすぎるんだな」
うんうんと頷きながら無意識にそれは口をついて出て。
不意に修平を見上げると、修平は驚いたように目を丸くしてこっちを見ていた。
そして次の瞬間……。
ぐいっと体ごと引き寄せられ、股の間に足を割り入れられながら、修平は俺に深いキスをしてきた。
「……っ…ん……んん……」
絡みついてくる舌に力が抜けていく。
腰の力が抜けてガクンとなっても割り入れられた修平の足と腰に添えられた手によって体を支えられた。
たった1日深いキスをしてないだけなのに久しぶりに感じてしまう。
すげー気持ちよくてヤバイ時に、修平のほんのりと掠れた声が響いた。
「あまりにも自然に好きって言われたから感動しちゃったよ」
そう言うとまた修平は唇を押し当て、舌を割り込んでくる。
「修…平……っ、ん……」
でもこんなキスしたらもっとヤバいことになってしまう。
「ダメ…だって……修平…人が来る」
ここは路地裏なんだ。いつ誰が通ってもおかしくない。
でもそんな俺の心配なんてものともしない修平は、熱っぽい色気のある声で俺の耳に囁いた。
「ホテル、行く?」
そしてそのまま耳を舐めて、耳朶を甘噛みしたり首筋に舌を這わせていく。
ホ、ホ、ホ、ホテルだとー!?
なんでこいつはサラッと言っちゃってんるんだ!?
む、む、む、無理っ! 無理無理無理無理! 俺にはレベルが高すぎる。
それに……。
「集合時間に…っ…遅れ、る……んっ」
「大丈夫。後で何とでも言えるから」
またこいつは不正をはたらくつもりか!?
すると、修平の指が俺の股間をなぞった。
「んっ……ダメだっ…て……んだろ……ハァ……っ」
「心配しないで……」
そう言うと制服の裾から外気によって冷たくなった修平の指が俺の肌に触れた。
つか、心配しないでって……。
俺が言ってるのは集合時間云々の話じゃねえんだよ。
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