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14.修学旅行二日目 13
ピチャピチャと音を立てながら絡み合うキスに意識が朦朧としてくる。
そんな矢先に唾液の糸を引きながら唇が解放されると、今度は俺の首筋に顔を埋めるではないか!?
「な、何……!?」
「やっぱり少しだけ千秋の首、舐めさせて」
「ま、待て……あっ……ッ」
首に舌を這わせ舐めあげると、修平はそこに優しく歯を立てた。
「んッ……っ」
もう一度言っておくが、ここは路地裏だ!
人気がないとはいえ、いつ人が通るかわからない道だ。
なのに修平の舌に翻弄されて、何も言えなくなってしまう。
なんかいつもより舐め方がエロくねぇか?
「ふぅ……ンッ……ッ」
「舐めるだけで感じる?」
「感じ…ッ…ねぇ……ッ」
「そう」
と言うと修平は俺の耳朶を軽く甘噛みして耳まで舐めあげる。
ピチャピチャという音がダイレクトに伝わって眩暈がしそうだ。
どんどん思考がエロくなっていく。
今からなら間に合うか?
このまま修平と消えてしまいたいって。
俺だって修平と……。
修平は俺を味わうかのように丹念に舐めまわし、制服のボタンを1つあけるとそこに軽く吸い付いた。
「ぁ……ッ……」
そこに1つだけ跡を付けると俺と目を合わせて、ニッコリ微笑む。
そしてそのままボタンをしめて俺の服を整えたのだった。
ん……!?
「ごちそうさま」
ごちそうさま?
「ごちそうさま?」
「うん。ごちそうさま」
「……テ、テメー!」
独りよがりな妄想が恥ずかしくなって、いつもよりきつめに言ってしまう。
でも飄々とした修平は何もなかったかのように爽やかだ。
「美味しかったよ、千秋」
「俺は食いもんじゃねぇぞ」
フフフと笑うと修平は軽い足取りで大通りにむかって歩き出したので、急いで俺も後を追った。
なんか、俺の心だけが乱された気がしてならないんだが……。
俺が言い出した話なのはよくわかってるけど、スッキリした顔しやがって。
なんか、ムカつく。
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