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第15章 修学旅行最終日 1
修学旅行最終日の3日目。
昨日、悶々としてしまった俺はなかなか寝付けず、ようやく眠りについたのは朝方だった。
夜更けになればなるほど修平の艶っぽい声とかを思い出してしまい、その度に寝返りばかりうって過ごした。
睡眠不足で体がダルすぎるし、朝日が眩しい……。
「千秋どうしたの? 眠れなかった?」
「あ、いや。だ、だいじょうぶ」
それどころか、いつもより修平がキラキラして見えるし。
朝日だけでなく修平も眩しすぎる。
やべー、このままだと……絶対、勃つ……。
うっかり勃っちまわないように、他のことに集中するんだ、俺。
今日、最終日は嵐山散策。
俺たち3人は渡月橋を渡ってまずオルゴール博物館に行き、その近くにある鯛茶漬けのお店でお昼ご飯を食べる事にしていた。
そこは鯛の刺身が胡麻ダレに漬けてあり、刺身、漬け丼、お茶漬けの順に食べていくお店で。
小鉢も3種類、京漬け物も3種類。しかもご飯はおかわり自由。
かなりお得な気がして内川と競い合うようにして食べたのだ。
腹を満たした後は、母さんに頼まれていた風呂敷屋に行って綺麗そうな風呂敷を買った。
店内には色とりどりの風呂敷や、ちりめんのストラップやポーチなど色々あったけど、母さんにだいたいのイメージを聞いていたので、それに近い風呂敷を買い任務完了。
そして今は竹林を通って集合場所へと向かっている。
昔話に出てきそうな竹林は、風も爽やかだし、笹の揺れる音なんかも聞こえて風情がある。
そういえば風呂敷屋さんが言っていたけど、渡月橋は夜になると川に月が映ってまた違う感じに見えるらしい。
昼と夜で風景がまた違うなら、また夜の渡月橋に来てみたいと思った。
今度は修平と二人で来たいなぁ……と思っていると、ふと視界に修平の姿が映り慌てて目を逸らす。
かなり嵐山を満喫なんだが、いかんせん修行中なもので気を抜くとヤバい状況に陥りそうになる。
何処でも彼処でも勃ちそうとか、マジでやばいし!
まだまだ俺は修行が足りんのだ。
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