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15.修学旅行最終日 3
そしてそれを顔に押し付けてゆっくり深呼吸すると、修平の匂いがした。
修平だ……。すげー、好きな匂い。
すぅーっと吸い込みながらジャージを抱き抱えると、まるで修平の胸に顔を埋めているような気持ちになる。
すると、自身も固く反り勃ってしまった。
「やべ……どうしよ」
こうなっては吐き出すしかないんだけど、いかんせんここは宿泊先の部屋なのだ。
でも、ダメだと思いつつも、どうしようもなく堪らなくなって部屋に誰もいないことを良いことに、ズボンの中に手を滑り込ませてしまう。
「…………ッ……」
そこは既に先走りが滲んでいて、ゆるりと扱くたびにくちゅっと音がした。
修学旅行に来てまで自慰行為とは我ながら呆れてしまうけど、修平の匂いに包まれていると手が止まらない。
「……くっ……っ……」
声を押し殺して修平にされていることを想像しながら扱いているなんて、恥ずかしいのにどんどん手を動かす速度が速まっていく。
すると、廊下から話し声が聞こえて来た。
夢中になりそうになり忘れかけていたけど修学旅行中なんだとハッとして、一瞬手の動きが止まる。
同じ学校の生徒が集団で歩いているのだろう。
やっぱり部屋だと、廊下からの声も足音も響いてきて落ち着かない。
これ以上ここでするのはやばいので、トイレにでも移動しようかと思った矢先に、その声はだんだん近づいて来ているような気がした。
でも何となく通り過ぎるんだろうなんて思っていると、ガラッと部屋の外扉が開く音がする。
やばい! この部屋だったか!!
この部屋は廊下と部屋を分ける外扉と、部屋に入るための内扉に分かれていた。
俺は内扉の中にいるわけだけど、内扉を今、開けられたら非常に困る。
う、う、う、内扉が開かれる前に、ど、ど、ど、どこかに隠れないと!
そしているうちに内扉がガラガラっと開かれた……。
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