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15.修学旅行最終日 9

マズい……。あいつ等帰ってきたんだ。 今、声が漏れたらマズイから、ちょっとタンマ……。 って、修平の体を押し返したのに……。 「ッ─────…‼︎」 う、う、嘘だろ!? 修平にだってあいつ等の声が聞こえているはずなのに、変わらず腰を打ち付け続けてくる。 「ッ……ンン……ッ……」 手で塞いでいても漏れてしまう声に気付かれやしないかヒヤヒヤする。 でも修平の動きは止まらなくて、俺を貫いていく。 「ふ…ンン……ッ……」 「ん? 何か聞こえなかったか?」 ついに声が漏れてしまった。 ヤバい……。気付かれてしまったのではないかと、俺はかなり焦って気が気じゃない。 「そうか? ネズミとかじゃねーの?」 もう1人が無頓着なやつで助かったけど、今度声が漏れたら次こそは気付かれてしまうに違いない。 でも今の2人は他のことに夢中のようで、押し入れの外では何やら忙しそうにしている様子が伺えた。 「つか、早く行こうぜ!」 「ちょっと待て。これを取りに来たんだから」 「最終日にやっと女子部屋に行ける! 新藤のアドバイスは効果てきめんだったな」 2人はなんやかんや言いながら女子部屋に行く支度をしているらしい。 ずっと行きたがってたからなぁと思いながら、修平はどんなアドバイスをしたんだろうと見上げてみると。 修平は、にっこりと微笑んでいた。 その、何か企んでいるような笑顔が……ちょっとだけ不気味だ。 すると修平は口を塞いでいる俺の両手を取ると、その手にそっとキスをした。 そして指先を口に含み、ねっとりと舐めあげながら、そのまま激しく腰を打ちつけてくる。 ちょっ……!? 待て!待て!待て! 「……ッ……んぁ……」 ヤバい! ヤバい! ヤバい! 手で塞いでおかないと声が漏れる。 つか、なんでそんなことすんだよ。 必死に堪えながら修平を睨むように見上げるも、修平は妖艶に微笑んだままさらに深く打ちつけた。 「……ンン…ッ……あっ……」 すると、身悶えながら無理やり声を吐き出させられるように漏れ出た声が響いてしまった気がした。

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