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15.修学旅行最終日 19
なーんてね。だと……?
「おい! お前! ……なんてね? って冗談だったのかよ!」
「別に僕はAV観たくらいで怒るほど心狭くないよ」
「あ、あ、焦ったじゃねぇかよ」
俺が胸をなでおろしていると、修平はクスクスと笑った。
「へー、観るなら普通にノーマルなのなんだ? 今度、ナースもの以外にどんなのが好きなのか教えてもらおうかな?」
「はぁ⁉︎ 誰が教えるかよ!」
「じゃあ僕が最初に観たのを教えてあげようか?」
「え! 修平もAVとか観んの⁉︎」
修平は俺を見ながらクスクスと笑っている。
そして笑いながら俺の頬を撫でて、俺の手を引き寄せると指先を揉むように握った。
「どうしよう。さっきシたばかりなのに、また千秋とシたくなってきた」
「バ、バ、バカ言うな」
「だって千秋可愛いんだもん」
「でも、もう……みんな帰ってくる」
「そうだね。家に帰るまでまた我慢しなきゃ」
ちょっと残念だね。って言いながら修平が俺の指にそっとキスをした。
また俺だって我慢しなきゃなんだけど。
昨日や一昨日よりスッキリしている俺は、逆に修平を我慢させてるんだってことに気持ち良さっていうか、優越感まで感じていた。
それから俺たちは同室の二人が帰ってくるまで手を握っていて、触れるだけの軽いキスを数回した。
バカップルとでも何でも言ってくれ。
修学旅行もこれで終わりかと思うと寂しいけど、いろんな思い出を修平と共有できた良い旅だったと思う。
まるで修行みたいだった修学旅行は、最終日にして初めて安眠できたのは言うまでもない。
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