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番外編③ 僕だけの可愛い人 5
食事を終えると一緒に片付けをして、風呂に入ることにした。
今日はいつもと様子が違うので、もしかしたら一緒に風呂に入ってくれるかも? なんて淡い期待をしてみたのも束の間。
「俺が先に入って、お前は後だ!」
それはないみたいだ。
普段はもっと恥ずかしいことをしているというのに、風呂は恥ずかしくて一緒に入らないといつも言われてしまう。残念だけどまたの機会にお願いしようと思いながら千秋を見送った。
そして、千秋を待っている間に、念のために姉貴の彼氏にもう1度メールをしておく。
喧嘩でもされて帰ってこられてもやっかいだと思ったからだが、返ってきた返事にはそんな様子は微塵も感じられなかったので安心する。
すると千秋が風呂から上がってきた。
「お先~。お前も早く入れよ」
「うん。入ってくるね」
そう言って部屋を出ようとすると、千秋に引き止められた。
「あのさ、のど渇いたんだけど何かもらっていい?」
「下の冷蔵庫から好きなの飲んでいいよ」
そう言うと千秋と一緒に下までおりてキッチンに向かったので、僕はいつも通りに風呂に入る。
髪を洗いながら今日の出来事を振り返ってみたが、やっぱり今日の千秋は珍しいことだらけだと思った。
しきりに何かを気にしてソワソワしてるようにも見えるけど、泊まりに行きたいと千秋の方から言ってくれたり、料理を振舞ってくれたり。今日は驚いてばかりな気がする。
これで一緒に風呂に入れたら言うこと無いけど、千秋は恥ずかしがり屋だからしょうがないけどさ。
ま、いつかは……ね。
そんなことを思いながら、僕は鼻歌でも歌ってしまいそうな気分だった。
そんな今日は千秋に驚かされてばかりなのだが。
実は、それよりも更に驚かされる瞬間は刻一刻と近付いていた。
それは僕が風呂から上がろうと体を拭いて下着を履いた瞬間に訪れた。
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