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番外編③ 僕だけの可愛い人 8

すると千秋は僕を自分の目の前に座らせ、自分は僕の足の間に座ると軽く身を乗り出すようにして早く箱を開けるようにと急かす。 そしてそのプレゼントだと言う箱の中をあけてみるとそこにはシルバーのネックレスが入っていた。 「ネックレス? これを僕に?」 すると千秋はうんうんと大きく頷きながらニコッと満面の笑みを浮かべた。 「どうだ? 三日月のデザインかっこいいだろ!」 「うん。格好いいね。これ、どうしたの?」 すると、千秋は得意げに笑った。 「おれが作ったんだぞ」 ニコニコと笑う千秋を見て、僕はもう一度そのネックレスを見る。 「千秋が作ったの!?」 細長いくて四角いトップに三日月がくりぬかれているデザイン。 これを千秋が作ったの? 僕のために? 僕が感動していると 「あんまり上手に出来なかったんだけど……」 そう千秋は軽く俯きながら言った。 確かに、くり抜かれた三日月がちょっと歪だけど、そこが手作りって感じがして僕はすごく気に入った。それに千秋が僕のために作ってくれたものだ。気に入らないわけがない。 「ありがとう。すごく気に入ったよ。でも、これは何のプレゼント?」 「お前の誕生日のだよ。かしてみろ、おれが付けてやる」 そう言って箱から千秋がネックレスを取り出すと、俺にまたがって座り抱きつくように首の後ろに手を回した。 誕生日か……。 そう言えば、僕が誕生日を教えなかったことを怒っていたっけ。 修学旅行中のことを思い出していると、シルバーのトップが肌に触れて胸元がひやりとする。 「やっぱ、しゅうへいがつけるとかっこいい」 目の前の千秋は僕を見ながら満足そうに微笑んでいた。 そして僕の両頬に手を添える。 「しゅうへいは俺に首を捕まれたんだからな。もう逃げられないんだからな」 そう言って、また嬉しそうに微笑んだ。 「僕に逃げられたくないからネックレスにしたの?」 「当たり前だ。首ったけって意味もあるんだからな」 そう言いながら抱きついてくる千秋に、今日は何度驚かされただろう。

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