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番外編③ 僕だけの可愛い人 15
千秋のいじらしさに堪らなくなって、千秋をベッドに押し倒し激しくキスをした。
音を立てて何度も唇をついばみ、舌を絡めるとただ夢中になってお互いの舌を吸いあう。
「…んっ……ふっ…ンンッ……」
絡まった舌が離れる時にのびた唾液が切れると、僕は上気した千秋の頬を優しく撫でた。
「千秋はやっぱり可愛いなぁ」
「う、うざくねぇの……?」
「どうして?」
「俺がうざいこと言ったから」
僕はニッコリ微笑んだ。
「僕はそんな千秋が可愛いと思ったよ。もっと僕を束縛していいよ」
今まで束縛されるなんてまっぴらごめんだと思っていたのに、不思議だけど千秋にだけは束縛されていたいと思う。
でも、酔った千秋は恥ずかしかったのかクルッとうつ伏せになって枕に顔を押しつけてしまった。
あぁ、可愛すぎる。
たまらなくなり、千秋のうなじに舌を這わせると。
「ひゃぁ……ッ」
なんて可愛い声を漏らしながら体を震わせた。
僕はクスリと笑うと、覆い被さるようにして、千秋の耳元で囁くように言った。
「千秋に僕の秘密を教えてあげる……」
すると千秋は枕から顔をあげて不思議そうな顔をして僕の方をみたので、目を細めながら千秋の髪をすく。
僕も君と同じだってことをわかってほしい。
「僕だって千秋に嫌われたら生きていけない……」
すると千秋は大きく目を見開くと、僕に即答したんだ。
「俺が修平を嫌いになるわけない!」
って、ほら君も僕と同じことを言っただろう? って思ったら、それが妙に嬉しくて千秋をぎゅーっと抱きしめた。
「千秋、自分だけだなんて思わないで。僕は千秋が好きだよ。千秋が言うのと同じくらい、言葉では言い表せないくらい愛してる。僕の世界は千秋を中心にして回ってるんだし、もう千秋しか見えてないんだから」
すると千秋も僕の背中に手を回してぎゅーっと抱きしめる。
素面の千秋なら、真っ赤になって照れ隠しに他も見やがれとか言うに違いない。
でも今日の千秋は素直に喜んでくれた。
「……うれしい」
「だから千秋は安心して僕に愛されていて」
千秋が僕の胸に顔を埋めながら小さく頷いたときには、千秋の涙も止まっていた。
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