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番外編③ 僕だけの可愛い人 21

もっと乱れさせたくて、執拗にそこばかり責め立てると千秋が僕の頭を引き寄せてキスをしてきた。 「……んっ…ッ……ンンッ……」 絡まった舌が離れると、潤んだ瞳で千秋は僕を見つめながら言う。 「修平の、を…ケツに……入、れられるの……好き…ッ…、んぁ…修平は……もっと、好き……だ…ッ…」 そんな事を言われて喜んでいる僕は確かに変態なのかもしれない。 千秋の左足を持ち上げ、自分の肩にかけると深く深く千秋の中に自身を突き入れた。 「ンン…ッ……あっ、あぁっ……あっ……」 部屋に千秋の喘ぎ声と肌がぶつかる音に加え、僕たちが繋がっている証の水音が響き渡る。 「今夜は、いっぱいイかせてあげる。千秋が可愛いから、たくさん愛してあげる」 「んんぁ…あっ……ンッ…ふぁ……ッ」 そのまま一晩中、千秋が意識を手放してしまうまで僕は千秋を抱き続けた。 何回イッたかなんてわからない。 精液が出なくなるまでやっていたわけだから、相当だと思う。 これも若さ故ってわけで。 千秋の寝顔を見ながら、ちょっと激しくし過ぎたかなと反省しながら、起こさないようにベタベタになってしまった千秋の体を綺麗にして、僕も軽くシャワーを浴びて横になった。 さっき脱衣場にある鏡に映ったネックレスの三日月が、本当に“C”に見えたのが嬉しくて心が弾む。 千秋は朝になっても今夜のことを覚えているだろうか? いや、覚えてなくても構わない。 覚えていたら千秋は恥ずかしさの余り、また変な方向に行ってしまうだろうから。 むしろ忘れていた方がいい。 千秋が忘れているのなら、僕もこの鏡に映った三日月の秘密と共に知らないふりをしておくつもりだ。 だから、酔っ払った千秋のことは僕だけが知ってたらいいと思った。 スースーと規則正しい寝息をたてている千秋を見ていると心がほっこりと温かくなる。幸せを感じる。 額に軽くキスをして、僕は決して千秋から離れないことを誓ったんだよ。 “一生、君を愛するから覚悟してて” そう呟いて、僕は千秋の隣でそっと目を閉じた。 「僕だけの可愛い人」=END=

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