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番外編④ 千秋目覚める 1
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次の日、起きてみると何故か隣に裸の修平がいた。
「あ、あれ? 修平? ……昨日、風呂はいってから……あれ? つか、なんでお前は裸なんだ!?」
「千秋もだよ」
修平にそんなことを言われて、布団の中の自分の状態を確認すると……俺自身も裸だった。
「なんでだー!」
恥ずかしくなって、ガバッと起き上がると言いようのない不快感が俺を襲う。
「頭が痛ぇ!」
なんだこれ……。こめかみが脈打つみたいにガンガンするんだけど。
痛すぎて辛いので、ちょっと座ろうと腰掛けたら次は……。
「ケツも痛ぇ! 腰も痛え!」
軽くのたうち回った挙げ句、結局元いた場所に横になって修平を見上げた。
「おい、どうして俺はこんなにボロボロなんだ?」
「覚えてないの?」
はぁ? 何があったって言うんだこのやろー。わかんねぇーから聞いてんだろうが。
「覚えてたら聞くかよ! ……ってお前、それ、なんで持ってるんだ⁉︎」
修平の胸元にはプレゼントするはずの三日月のネックレスが揺れていて、俺は驚きを隠せない。
な、なんでだ……? 渡した記憶なんてないぞ⁉︎
俺が目を丸くしていると修平はしれっとした顔をして言う。
「誕生日プレゼントだって昨日くれたじゃん」
はぁ!? え? なんで? なんで? なんで!?
俺、全っ然記憶に無いんだけど。
「俺、記憶にないのにお前に渡したのか……」
わけわかんねぇ!
頭痛ぇし、ついでにケツも腰も痛ぇけど、俺おかしくなったのか?
俺が頭を抱えていろいろ考えていると、修平に後ろから抱きしめられた。
「プレゼントありがとう。昨日も言ったんだけど忘れてるみたいだから」
「なんでだろう? 全く記憶がねぇ」
「僕、嬉しくて色々と激しくしすぎちゃったから、気持ちよすぎて記憶が飛んだとか?」
え? マ、マジか!?
気持ちよすぎて記憶飛ぶ? そ、そんなことで記憶が飛ぶことあるのか?
つか、修平は俺に何をしたんだよ。
といろいろ想像しているとまた恥ずかしくなって顔が赤らんでしまう。
するとニヤリと笑った修平が、俺に顔を近づけた。
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