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17.その目で見つめて 5
修平が選んだのは上半身が白で肩にフリルがついたブラウスに赤いひらひらのスカート(腰に同じ生地のリボン付き)という、一見別々に着てるかのように見えて実はワンピースっつー、どうやって着たらいいのかわからないようなものなんだけど……。
「絶対、似合いそう!」
とそれを見た塚本とあおいちゃんのテンションが一気に上がり、あおいちゃんはその服をハンガーに掛けたまま俺に当てると若干鼻息が荒くなった気がした。気のせいだろうか?
そして、俺の意見とか全く聞かれることなく俺はその服を着ることに。
つーか、おい! 修平は何を勝手に話を進めてやがるんだ。
「塚本先輩、超やる気出てきました! 私、がんばりますっ!」
そう言うとあおいちゃんは俺以外のメンバーを部屋の外へと追い出し鍵を閉める。
本気モードというのだろうか。
ため息しか出ない。
そう思った次の瞬間、あおいちゃんが振り返った。
振り向いた彼女の顔は……きっといつまでも忘れられない。
「ギャアアアアァ────ッ」
────
──…
俺があおいちゃんから解放されたのは、着替えやらメイクやらが全てが終わったときだった。
メイクしながらあおいちゃんは今流行りの何とかメイクと言っていたけど忘れた。
そしてディープブラウンのロングヘアーで毛先がふわっとなっているカツラを被せられて終了。
なんかドッと疲れた……。
「柏木先輩。足は閉じて座ってください。じゃないと、可愛くないパンツが見えますよ」
「可愛くないパンツって、そっちが用意したのなんか履けるか‼︎」
「私はそこだけが不満です」
下着で一悶着あったのだが、あおいちゃんは従わない俺に少し不満顔だった。
あおいちゃんって意外と腕っ節が強くて、服を引っ剥がされた時はどうしようかと思ったし、下着まで女物を付けさせられそうになったから、トランクスだけは死守したけど……。
スカートって超スースーする。
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