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17.その目で見つめて 11
「彼氏と来てんの?」
「そうだよ。だからあっち行けよ」
「可愛い顔してるのに気強いね~」
そう言いながら一人が俺の肩に触れた。
こいつら俺のこと、女だと思ってやがるな。
「やめろよ! 触んな!」
「やめないよ。彼氏ってどこ? 本当にいるの?」
マジでうぜー。
つか、一人で遊園地に来るやつなんていねーだろ。
こちらの異変に気付いた内川と塚本が走ってくるのが見える。
本当にうぜーやつらだ。
そう思いながら手を振り払おうとしたが、もう一人が反対の腕を掴んだ。
「離せよ、コノヤロー」
「女の子がそんな乱暴な言葉使っちゃだめだよー」
つか、キモいんだけど。
腕を振り払って殴ってやろうと思っていたら、後ろから低い声が響いた。
「僕の恋人、離してくれるかな?」
ナンパ野郎達が息巻いて振り向くとそこにはニッコリと笑った修平がいて。
笑顔が余計に怖い。
振り向いた瞬間、あいつらは皆固まってしまった。
言うまでもない。振り向いたらルックスも背丈も何もかもかないっこない修平がいたんだから。
しかもめちゃくちゃ笑顔で。その笑顔は鋭いほどに冷たくてめちゃくちゃ怖い。
「その子は僕の恋人なんだ。だから手を離してれるかな」
またニッコリ微笑みながら、物腰は柔らかいものの威圧感のある口調は背筋が凍るようで。
ナンパ野郎達は何やら言葉を吐き捨ててその場を去っていく。
すると修平は駆けつけた内川たちにも笑いかけながら俺にジュースをくれた。
「おい、柏木。大丈夫だったか?」
「あぁ……。つか、俺男なのにあれはナンパか?」
「知らなかったら男とは思わねぇぞ。な、新藤?」
内川に話を振られた修平はゆっくり頷いた。
「でも、新藤のとっさの一言すげーな! よく思いついたな」
「その方が効果ありそうだろ?」
やっぱり修平の冗談だととっている内川の隣で、塚本はなぜか目を輝かせていて。
「でも、さっきの新藤くんのセリフ! きゃー執筆の神が降りてきたー! これで完結出来る!」
そう言いながら塚本は元いた席に戻り執筆活動に入った模様。
内川も塚本について行こうとした時に、修平は内川に駆け寄って何か耳打ちしていた。
そして俺のところに戻ってくると、腕を掴んで歩いていく。
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