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17.その目で見つめて 31

──休み明け。 学校に行ってみると……修平の彼女を見たという噂で持ちきりだった。 「新藤くんの彼女ってモデルらしいよ」 「うっそ! マジで!?」 「背が高くて凄く可愛かったもん! さすが新藤くんの彼女って感じ!」 モデルって何だ!? なんでそういうことになってんだ!? 絶句してる俺の横で内川が腹を抱えて笑っている。 それに修平も肩を震わせて笑うのを我慢してるみたいだ。 なんだかよくわからないけど、修平と一緒に歩いていた俺(女装)を見たという話が変な方向に転がって行き着いた先がこれらしい。 「みんな勘違いしてるみたいだけど、全く柏木って気付いてねぇの。ウケる」 「うるせーよ」 「モデルだってよ! 身長、男としてはさほど高くなくても女にしたら高いに入るんだもんな。よかったな!」 身長167センチ……確かに女子なら高い方なのかもしんねぇけど。 大きなお世話だ! つか、お前らが俺より高いから、俺が低そうに見えるだけだろ!? ゲラゲラ笑いながら茶化してくる内川を思いっきり睨みつける。 「う~ち~か~わ~。お前はどうなったんだよ!?」 するとゲラゲラ笑っていた内川の顔が少しばかり色付いて、途端に静かになった。 「今、清書中なんだよ」 「なんだそれ?」 「わかんねーけどメールで……」 「へぇ、メールしてんだ」 そう言うと内川の顔がさらに赤くなったので笑ってしまう。 一方で修平はというと、かなり乗り気で。 「恋人だよ。モデルじゃないけど、可愛いって言ってくれてありがとう」 修平に彼女なのかと聞いてきた子たちにも爽やかに答えてやがった。 確かにあれは女装はしていたとしても俺なわけだし、間違っちゃいねぇけど。 俺たちが本当の恋人同士だって知らない内川は修平のノリがいいってまたケラケラと笑っていた。 でもまぁ例え内川に冗談だと思われていたとしても、修平に付き合ってる人だって堂々と言ってもらえた気がして嬉しかった。 だから、ただ。 このままこんな幸せな日々がずっと続けばいいなって思ってた。

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