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18.背中合わせ 10

…………。 ハハハ……きっと冗談に決まってる。 俺と修平が別れるとかあるわけないじゃん。 「なんだよ。冗談きついんだけど、エイプリルフールはまだまだ先だぞ」 俺の乾いた笑い声が響くも修平は冷たい眼差しのままで、その視線はズキズキ刺さって痛くて、冗談じゃないかもしれないって思い始めた。 ……嘘、だろ? なんで? どうして? 修平が別れたいとか言う理由がわからない。 「……どうして?」 「別れてほしい」 「だからどうして! 俺は理由を聞いてるんだ!」 「…………」 昨日、カナに何か言われたのか? 何があったんだよ。 すると修平は踵を返し、何も言わずにその場を去るように階段を下りていく。 「待てよ! まだ理由を聞いてない。カナに何か言われたんだろ? お前がカナと会ってたことは知っている!」 階段を下りていこうとする修平の腕を掴んだ。 冗談だって言ってくれ。そう願いながら修平の顔を見る。 しかし、振り返った修平はあまりにも冷たい目をしていた。 「飽きたんだよ……」 飽きた……だと? 全身の力が抜けた気がした。それと同時にまるで心臓諸共杭で打ち付けられたような気分だった。 俺の手を振りほどき階段を下りていく修平を見ながら……うまく息が出来てるかすらわからなくて。 でも、信じない! 信じるもんかっ! 無我夢中で残りの階段を駆け下りて、修平の腕を掴んだ。 「嘘だ! 俺は絶対に信じないからな!」 さっきの階と違いここにはたくさんの生徒がいたので少しざわついている。 「…………」 「なんとか言えよ!」 俺が声を荒らげているから余計に注目を浴びてしまっているけど気にするものか。 「柏木どうしたんだよ⁉︎」 そこに内川がやってきたとこで、修平は俺の手を払って行こうとした。 「待てって! あいつのせいなんだろ!? カナだろ!?」 「おい柏木! 落ち着け」 内川には俺が修平に殴りかかるように見えたのか腕を捕まれて押さえ込まれてしまい、その隙に修平は人混みの中へと消えてしまった。 「2人ともどうしたんだよ。喧嘩か?」 「知らねぇよ」 心配そうに様子を伺う内川の腕をふりほどくと、俺は教室とは逆の方に歩いていった。

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