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19.俺の声を聞け 2

愛情と憎悪は紙一重とかなのだろうか。 いや、俺の感性が未熟だからそう繋がってしまうのだろうか? それとも、傷付きたくなくて心に憎しみの感情でバリアをはっているだけなのだろうか? ……でも。正直、もうどうでもいい。 とにかく、修平の話が耳に入って来るたびに言葉にならないムカつきと怒りが沸き起こる。 修平が笑っているとムカついた。 何もなかったかのように平然と振舞っている様を見ていると憤る。 相手が俺の事をもう何とも思ってないなら、もうし知らねぇ! そう思って、ポケットからスマホを取り出すと修平のページを開いた。 そして画面を操作すると画面に【削除しますか?】の文字が表示される。 腹いせに消してやろうと思った。 あいつは躊躇無く消去したんだ。だから、俺だって……。 指で【はい】を選択すれば、ものの数秒で修平のデータは無くなる。 修平と関わりのなかった頃に戻るだけだ。元々、大嫌いなヤツだったんだから大したことない。 俺だって……。 全て消してしまった方が楽に決まってる。 そんなことはわかっているのに、俺が選択したのは。 【いいえ】の方だった。 俺ってば、喋りかける勇気もなければアドレス帳の削除も出来ない。ただ悩むだけのヘタレ野郎だ。 為すすべもなく、愛情を憎悪にしか変換できずに胸が苦しくてムカついて。 嫌いになれたら楽になるのだろうか……。 いや、嫌うのさえ疲れる。 無関心になりたい。 そんな状態のまま時間だけが過ぎていき、毎日修平とカナの噂話ばかり聞いていると気にしないようにしていても歪んでいくわけで。 心にあるのは憎しみに似た感情だけで、もう修平には関わらないようにしようって思うようになったんだ。

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