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19.俺の声を聞け 24
「じゃあ、なんでアドレス帳とかアカウントとか消したんだよっ!」
「……そうすれば、千秋も僕のを消すと思ったんだ」
「はぁ?」
「僕から千秋に繋がるものは全て消そうと思ったんだ。でも僕だけが消したとしても、千秋からの連絡でカナが千秋にたどり着いたら意味ないだろ? だから、僕が目の前で消せばきっと千秋も腹癒せに消すだろうって思ったんだ」
だから修平は俺になんで消さなかったのかって言ったのか。修平は修平なりに、俺のことを思ってしてくれていた行動だとわかり……嫌われてた訳じゃないんだって思ってホッと胸をなでおろす。
でも修平の声はまだ沈んだままで、でも更に強く俺のことを抱きしめた。
「酷いことばかりしてごめん。僕、自分が情けないよ。好きな子を泣かせてまで突き進んだのに、最後は助けに来てもらってさ……。がっかりしただろ?」
「そんなことねぇよ」
すると修平は抱きしめる力を緩めると、俺に顔をあげて欲しいと言った。
「千秋……顔をよく見せてよ」
「な、なんでたよ……」
まじまじと見られるのは恥ずかしかったけど、修平がよく見えるように体を起こしたら手が伸びてきて、殴られたところを優しく撫でる。
「怪我させちゃったね」
「お前がつけたわけじゃねぇだろ」
「僕、もっと強くなるからね」
「なんだ? いきなり」
「千秋と千秋の大切な人を一遍に守れるように、強くなるから」
またクサいことを言う修平に、不覚にもトキメいてしまった俺は、慌てていつものように毒をはく。
「お、俺だけ守られるなんてなんかムカつく! お前が俺に守られてろっ!」
なんか訳がわからないことを言ってしまったけど、自分がどれだけ空白の時間にも修平に愛されてたか実感すると胸が高鳴った。
それも、痛いくらいに……。
修平が好きだ。
言葉では表せられないくらい大好きだ。
もしも俺たちが溶けあって1つになれたら、永遠に離れるとか離れないとかなんて心配しなくていいかもしれないのに。
なんて、馬鹿な妄想をしてしまうくらいに。
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