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20.ねがいごとひとつ 6

俺の3つ目のお願いは、女装した俺とデートすること。 3つ目といえど、これが最高でただひとつの願いだ。 と、言うのも学校ではまだカナが修平の彼女という噂が消えてなくてムカついていた。 人の噂も何日だ? でも、そんなの待ってられないし、その間も修平と付き合ってる相手にカナが居座るのが我慢できなかった俺は、女装してデートすることを思いついた。 また女装するのは不本意だったが、男の俺と普通に出掛けたところで何も変わらないし、女装した俺でも俺は俺だからそれで良しとようと自分に折り合いをつけた。あとはきっとあの情報通の眼鏡女がやってくれると信じている。 でも、相変わらず理解しきれていない修平は困惑したままだった。 「デ、デート?」 「なんだよ。嫌なのかよ」 「嫌じゃないけど。なんでデート?」 「いつまでもお前とカナの噂がちらついてるのがムカつくんだ! 噂になるなら……俺とだろ」 「……それで姉貴と?」 「そうだよ! 何か変な想像でもしてたのかよ!? これは、俺とお前が仲間内で罰ゲームすることになったって設定でだな。姉ちゃんにしてもらったんだよ!」 それから姉ちゃんに女装を頼む時の設定を修平に説明した。 「設定をよーく覚えとけよ。ゲームでビリになった俺は女装することになって、2番目にビリになったお前はそんな俺を連れて歩かねばならないということになったんだ。わかったか?」 まだ修平はポカーンとした顔で俺のことを見ている。 「修平、聞いてるか?」 「う、うん。じゃあ、嫉妬するなって言うのは……」 「いろいろ用意もあるだろ。それに……仕返しだ! 俺がした以上に嫉妬させてやりたかったの!」 女装してデートするっていうのは、ギリギリまで修平に内緒にしたかった。 でも修平は人一倍姉ちゃんを警戒する。 だからいちいち修平が来ていたら内密に進めたくても進まないわけで。 だから、嫉妬禁止にしたわけだが、まー……前のカナ騒動で修平に仕返しもしたかったから少しすっきりした。

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