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20.ねがいごとひとつ 21

「って、何言ってんだよ⁉︎」 咄嗟に言い返すも修平はしれっとした態度で返してきた。 「千秋こういう子好きだろ? 目が大きくてベビーフェイスの巨乳」 「な……っ!」 なんで知ってる! ってまた言いそうになって寸前のところで口に出さなかったけど、修平はクスクスと可笑しそうに笑っていた。これは完璧に面白がってる顔だ。 「もう! いいからリモコン貸せよ!」 そして修平からリモコンを奪い返してテレビの電源を切る。 「観たらよかったのに」 笑いを堪えるかのように肩を震わせながら言う修平は意地が悪い。 「観ねぇーよ!」 「あ、そうか。千秋は危ないナースしか観ないんだっけ?」 「違う! それは内川の兄ちゃんがそれしか持ってなかったから! ……って、まじで修平うざい!」 そう言いながら不貞腐れていると修平がごめんね。って謝りながら抱きしめてきたけど、絶対に反省なんかしてない。 「怒ったら喉乾いた。来るときに飲み物買ってくればよかったなぁ」 すると、俺の目に飲み物やらカップラーメンなどが詰め込まれている自販機のようなものが目に入ったので近寄ってみる。 「あ! 自販機ある! これって飲み物とったら加算されるやつ? やっぱクソ高いのかな?」 「ルームサービスもあるけど注文する?」 そう言いながら修平もベッドからおりて来たとき、俺はその隣にあるもう一つの自販機を見つけてしまった! こ、これは……。 噂に聞く、アダルトグッズの販売機なのではないか⁉︎ 俺が固まっていると修平がその隣にしゃがみこむ。 「欲しいの? あ、これ凄くない? デコボコしてる。痛くないのかな」 修平が指差したのはイボイボがたくさんついてるというバイブだった。 「これは小さいボールが連なってるみたいだね。アナル用だって。気持ちいいのかな?」 「もういいから。俺は飲み物を……」 そう言ってるのに修平が俺の手を取ってニヤリと笑った。 「どうしたの? 顔が真っ赤だよ?」 「ど、どうしたとかじゃねぇよ! お前が変なことばっかり言うから!」 「変なこと?」 そういうと修平はクスッと笑って耳元で内緒話でもするかのような声で囁いた。 「──想像した?」

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