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20.ねがいごとひとつ 23
ベッドの上で組み敷かれながら修平のことを見上げる。
「な、何?」
「何って続き」
「つ、づきって……」
「さっき次は僕が腰振ってるとこ見ててって言ったよね」
そう言われて天井を見上げると真っ赤になった俺が映っていた。
「や、やだ……」
「だめだよ。見ててよ」
そんな耳元で言うなんてずるい。
抵抗する俺を黙らせるかのように修平がキスで俺の言葉を塞ぐと、またにっこり笑って言ったんだ。
「可愛かったご褒美に。もっと気持ちよくさせてあげるよ。今日は寝かせないからね」
俺はなにやら変なスイッチを押してしまったんだろうか。
怖いくらいに妖艶に微笑む修平が覆いかぶさってきて、抵抗する隙すら奪われた。
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─────…
「あっ、あぁ、んッ……んぁ!」
ぐちゃぐちゃという水音と共に、ふと目に入ってしまった鏡には艶めかしく腰を振る修平が映っていて、いつもこんな風にしてるんだって思うと堪らなくなる。
「千秋……好きだよ」
耳元で囁かれ、修平を見上げてみると額に薄っすらと汗をかき、その目が興奮してるのが分かると思わず中が窄まった。
「あっ、あ……ッんぁ」
「千秋、鏡見てる?」
「見な、い……」
「今、自分がどんな顔してるか見て」
「や、だ…ッ……」
自分がどんな顔してるかなんて見れるわけなくて腕で顔を隠そうとしたのに、その腕を掴まれて代わりに修平の腰つきが速まった。
その時、うっかり鏡に映る上気しきった自分の顔が目に入ってしまう。
俺、こんな顔……してたのか?
「気持ち良さそうな顔、僕がさせてるんだね」
「や、やだ……んっ、やだ……ッ」
自分がこんなにも情けない顔してるなんて思わなかった。
「あ、やだ……あぅ……っ」
「千秋、可愛いね……好きだよ」
いつもこんな顔してるのか……。
こんな顔を可愛いって言うなんて修平もかなりおかしい。
でも、修平にしか……見せられない。
修平の寝かせない発言の通り、その後も風呂やら(修平が備え付けのローション風呂のもとなる物を見つけてきてお湯がヌルヌルしてた)ソファの上でもして、またベッドに戻ってなど、余すところなく貪るようにヤりまくった初ラブホテルは、くたくたになってしまったのだった。
─────…
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