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番外編⑤ 腐女子彼女と親友たちの日常 5

「何、コソコソ話してるんだよ!」 すると新藤はまたにっこり笑いながら。 「ん? 僕がキスで恋人の腰を抜かせた時の話」 と教えるとまた柏木は一気に咳き込みはじめる。さっきから柏木は怒るか咳き込むかしかしてない。 「なんつー話をしてんだ! お前ら!」 「柏木はなんで怒ってんだよ。すげーからお前も聞いとけよ。腰を抜かせられるキスだぞ!」 「力が抜けて、かくんってなるところが可愛いんだよね」 「修平も黙ってろ!」 「そうか。そうやって新藤はツンデレでエロい彼女を開花させたのか……」 しみじみ呟くと柏木に思いっきり頭を叩かれた。 「くだらねーこと言ってねぇで、お前はさっさと塚本のとこにでも行ってこいよ!」 「なんだよ。痛ぇじゃん。柏木に関係ないだろ?」 「か、か、関係ないけど……く、くだらねーって言ってんだよ!」 「つか、柏木も新藤の話をよく聞いとけよ! 童貞なんだから」 「童貞童貞うるせー! 大きなお世話だ!」 柏木がなぜここまで怒るのかは理解できないけど、言い合っている俺らをなだめるように新藤が間に入って喧嘩を止めた。 「とにかく、何か思ってることがあるなら本人に言った方がいいと思うよ。すれ違いが一番良くない」 ……そうだよな。ちゃんと話をしよう。 手を繋ぐとか、キスとかそういったことをしたいってだけじゃない。 しなくたって、ちゃんと彼女の気持ちがわかればいいんだ。 そういうのは信頼関係に比例して行くものだと思うから。 前の彼女ともささいなことですれ違って、いつの間にか心まで離れてしまっていた。 塚本さんとはそんな風になりたくない。 そう思いながら1日を過ごした。 ──その日の放課後。 一緒に過ごすことの多い放課後は、ほとんど下校時間まで彼女のクラスで話したりしていることが多い。 塚本さんは俺と話をしながら今日も物語を進めていた。 好きなことをやっている彼女がノートに視線を下ろしたときの睫毛を見るのに最近はハマっていて、だから俺は前の席に向かい合わせになるように座って頬杖をつきながら話しかけた。

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