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22.快活シンパシー 3

そして交代の時間になったので2人でバックヤードにはけていくと、佐々木がエプロンをたたみながら俺に聞いてきた。 「なぁ、この後ってなんか用事ある?」 「いや、帰って飯食って寝るだけだけど」 「じゃあ、なんか食ってかね? オレの親睦会も兼ねて」 「自分で言うなよ」 「えー、でも柏木とはなんか気が合いそうだからさ、もう少し喋ってみたいし」 やれやれと思い呆れながら返すと佐々木は歯を見せてにかっと笑った。 でも今日は修平もバイトの日だから、いつものように遅くなるだろう。 だったら飯食って帰るのもいいかもしれない。俺も佐々木とはもう少し喋ってみたい気もするし。 「いいけど。ちょっと電話するから待っててな」 そう言って鞄の中からスマホを取り出し、修平に電話をかけた。 数回コールすると修平が電話に出る。 「あ、修平? 今日さ、バイト仲間と飯食って帰ることにしたんだ」 『そう、わかった。僕も家庭教師先でよばれて帰るから今日は晩ご飯いらないね』 修平は塾講師のバイトと家庭教師を掛け持ちしていて、今日は家庭教師の日だった。 いつも家庭教師先の家では晩御飯が用意されているらしく、修平はいつも食べて帰ってきていた。 俺のバイト先もまかないってあるけど、修平のは話を聞く限りまかないレベルを越えている。 ここでもまたおまけしてもらえるのか、恐るべし新藤 修平⁉︎ でも、確かにうちの母さんも修平が来てる日は豪華な食事を作っていたっけ。いつの間にやら修平の好物とかも把握してたし、何より振る舞うのが楽しそうだった。 修平は同世代からモテるだけでなくマダムキラーでもあるのだ。 『じゃあ、楽しんできなよ』 「おう、じゃあな」 それから一言二言話して電話を切ると佐々木が誰に電話したのかと聞いてきた。 「ルームシェアしてる同居人」 お互い、相手のことを紹介する時はそう言うことになっていた。 「ルームシェア!? 家賃折半っていうアレ?」 「なんかザックリしてんな、お前」 そんな話をしながら俺たちは近くのファミレスに場所を移した。

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