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22.快活シンパシー 4
***
「まじで!? 佐々木も3人兄弟の長男なの!?」
「そう、オレ・弟・妹」
「うわっ、それも俺と同じだ。弟と妹っていくつ?」
「弟が2こ下で妹が3つ下。柏木は?」
「俺んとこは2人とも3つ下。双子なんだ」
「双子なのか。でも妹の年同じだな」
さっきから話していると驚くくらい佐々木とは共通点が多いことがわかった。
最初は何気ない好きなゲームの話からだったけど、好きな漫画やドラマ、好きな音楽、しまいには家族構成まで。こんなにも共通点がある友達は初めてかも。
すると佐々木はコーラを飲みながら思い出したようにため息をついた。
「妹の話してたら思い出したけど、妹なんて育てても意味ないぞ……」
「なんかお前が産み育てたような言い方だな」
「いや、妹なんて小さいときはあんなに兄ちゃん兄ちゃん言ってきてたのに、盆に実家帰ったら彼氏が出来たとか言いやがるし。まだ早いって言ったらウザいとか言って口利いてくれなくなった」
こっちは変な男に引っかってないか心配してるのにと、また佐々木はため息をつきながらコーラを口に含んだが、俺にとってそれは衝撃的な話だった。
「佐々木の妹もう彼氏が出来たのか!? 高2だろ? 早いだろ!」
相変わらず妹の咲良に対しては過保護な俺は、咲良に彼氏が出来たら……とか考えたらゾッとしてしまう。
「柏木もそう思うだろ? でも今は普通だってよ。ぜってー柏木の妹も彼氏出来てるって」
「マ、マジか!!」
そう言われて咲良のことが急に気になった。
こないだ帰ったときはそんな素振りなかったけど……。
ウザいとかは言われたけど。いや、ウザいとしか言われてないけど。
それで彼氏の有無がわかるわけでもないし、聞いたところで素直に言ってくれるとも限らないしなぁ。
つか、あいつが素直なのは修平にだけだし。
「……あ」
「どうした? 柏木」
「俺の妹もさ、素直なのってさっき俺が電話した同居人だけなんだよな」
「その同居人ってイケメンなのか?」
「うん。イケメン」
そりゃしょうがねぇよと言って笑うと佐々木はコーラを飲み干しドリンクバーに向かうため席を立った。
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