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第23章 キミと甘いバースデー 1
次の日もまた同じようにやってきて、また慌ただしく過ぎていく。
朝起きるといつも通り修平の方が早く起きていて、昨日は疲れているようだったから、元気そうな姿に安心した。
そしてそんな日常がしばらく過ぎた頃、夏休みもラストスパートということで今日もフルでバイトだった。
朝一のシフトは苦手だけど、今日は給料日だからか心なしかウキウキしてしまう。今日はバイト終わりにその足でプレゼントを買いに行くことにしていた。
何を買うかは既に決めていて、何回か店に行って下調べもしている。夏休みはこのために頑張って働いてたようなものだから、やっとプレゼントが買えるので嬉しい。
教育係としての仕事はというと……航は飲み込みが早く、ものの数日で独り立ちし既に戦力になっていた。つか教育係って必要だったんだろうかといまだに思うところだ。
ま、それは置いといて航とは気が合うので、あがりが一緒の時は飯を食って帰ったり楽しく過ごしていた。
一方修平はテスト対策だとかで家庭教師の時間が臨時で増えたらしく、忙しいのか顔を合わせる時間が減っていた。なんでも塾の方でも時間を増やしてほしいと言われてるらしい。
さすが修平、学歴もさることながらわかりやすい教え方にあの顔だから生徒に人気がでるのは頷ける。
おそらく女子中高生の憧れの的だろうが、こんくらいじゃ焦ったりする千秋さんじゃないんだよ。フフン。俺も大人になったからな!
そんな風にここ数週間はお互いに忙しく過ごしていた。
でも、今日はどんなに忙しくても絶対に寄り道をせずに帰るし、修平も早く帰ってくる。
なぜなら、明日は修平の二十歳の誕生日だからだ。
俺は机の一番上の引き出しに入れた修平へのプレゼントを見つめながら思わずにやけてしまった。
……修平、喜んでくれたらいいな。
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