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23.キミと甘いバースデー 12

すると修平が顔を近付けた。 「じゃあ、どうして焦ってるの?」 「あ、焦ってねぇし」 「だったら問題ないだろ?」 「こ、ここは俺の部屋だし、ぶ、ぶっ、物色されたくないだけだ!」 俺の指輪は見つからないようにクローゼットに隠してある。このままやり過ごせばきっと大丈夫だ。 そう思っていたのだが……ちらっと横目でクローゼットの方を確認すると、なんとクローゼットの扉がちゃんと閉まりきっておらずほんの少しだけ開いていた。 中は見えないし、あれくらい少し開いてるなんてよくあることだけど、もしもなんかの弾みでもっと開いてしまったら……と、思うと気が気じゃない。 なんできっちり閉めなかったんだ⁉︎ 俺! なんとかやり過ごさねばと思い、自然な感じを装って修平とクローゼットの間に入った。 とりあえず、修平をクローゼットに近付けさせなければいい。 「なんもないからケーキ食おうぜ」 すると修平がチラッと俺の方をみたので、笑ってケーキ食おうともう1回言うと……。 修平は突然俺に顔を近付けると耳に息を吹きかけ、ペロッと舐めて甘噛みしてきた。 「ぁ……お、おい!」 そしてそのまま顎をつかまれると修平が強引にキスをしてきたものだから、バランスを崩して数歩後ろに下がってしまい、クローゼットに背中をぶつけ、もたれかかる様になってしまった。 何!? 何!? 何ー!? どうしたんだ? 突然発情したのか!? 突然のことにどぎまぎしていると、今度は俺に深いキスをして息継ぎもできないくらい激しく舌を絡めてくる。 「ふっ、ん……ッ……ンッ」 腰に回された手が艶かしく腰や尻を撫でるとだんだん力が抜けていってしまい、ついにはその場に座り込んでしまった。でも、修平は休むことなく俺の首筋に舌を這わせていく。 「しゅ…うへ……な、なんで……あっ、……ッ」 それ以上されたらまた息子が反応してしまいそうで、必死に堪えていると。 修平が首に軽く跡をつけたとき、俺が軽く体を反らせたと同時にもたれていたクローゼットのドアが俺の体重に耐えきれず開いてしまった。 ……すると修平がそっと俺の首筋から顔を離す。 ぼーっとした頭でクローゼットのドアでも閉めるのかななんて暢気に考えていると、修平がとびっきりの笑顔で振り返った。 「千秋、これはなんだろうね?」 修平の手の中にあったのは俺が自分用に買って隠しておいたペアリングの箱!! (しかも修平と同じ色の箱ー!?)

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