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23.キミと甘いバースデー 15

「千秋についてると余計に美味しいね」 そんなことを言いながら唇を舐めとる修平が色っぽくて、その隙間から覗く赤い舌にもドキドキしてしまって焦る。そんな俺を見て修平はクスリと笑った。 でもこれくらいでドキドキしたのが悔しい。それに修平の余裕っぽい態度も気に食わない。 また絶対に変なことを考えてるに違いないのだ。 「……な、なんだよ。また、俺に塗って食べるとかエロいこと想像してんじゃないんだろうな!? 絶対にしないんだからな!」 すると修平の動きが急に止まった。 え? 何? もしかしてやる気だったのか? と思っていたら……。 「……それは思いつかなかったなぁ。僕、あんまり食べ物でどうこうしたいって思わないから盲点だったよ。千秋はずっとされたかったんだね? ごめんね」 え!? 修平が、まさかの考えてなかったパターン!? そういえば食べ物でなんかされたことって今までにもなかったな。 つか、待て! 待て! 待て! 何を自分に都合よく解釈しとんのじゃ、ボケが! 「やりたいわけないだろ!」 もしかして俺は言わなくてもいいことを言ってしまったのか!? 修平の新しい扉を開けてしまったのではと、オドオドしていると修平はクスクス笑って俺に軽くキスをする。 そしてすぐに舌を口内に滑り込ませて歯列や上顎をなぞった。 「千秋甘い」 「ケーキ食ってんだから当たり前だろ?」 「ねぇ、千秋。僕に食べさせて」 修平が持っていたフォークをテーブルに置いたので、起き上がってそれを取ろうとすると修平はその手を取り俺の指で直接クリームをすくわせた。 「食べさせて」 細まった目は優しくも妖艶で思わず見入ってしまいそうになる。 そしてそのまま指に付いたクリームを修平の口の前に持っていくと、修平がその指ごと舐めた。 修平の舌が俺の指を舐めたり吸ったりする。舌の感触が指に伝わって擽ったい。 「もう一口、ちょうだい」 真っ直ぐに見つめられて、ただケーキを食べさせてるだけなのにすごくドキドキする。 修平の口にケーキを運び、また修平に指を舐められるとぞくぞくしてとても気持ちよかった。 「ん……ッ、……」 思わず声が出てしまった俺をみて修平はまた優しい顔で笑うのだ。 「指だけで気持ちいい?」 多分、それは指だけじゃない。俺は修平にされることならなんでも気持ちいいから。

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