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第24章 キスして酔わせて 1
それからどれくらい寝ていたのか、軽く体を揺さぶられて目を開けると修平の笑った顔が目の前にあった。
「おはよう。朝ごはん食べる? もう昼だけど」
目をこすりながら時計を確認すると12時を過ぎていた。
「ダルい……」
そういって修平を見ると「昨日は久しぶりだったからかな?」と余裕顔で笑うので少しだけむかついた。
とはいえ腹が減ったのでリビングに行くとコーヒーのいい匂いが漂ってきて、2人で遅い朝飯を食べた。
それにしても今日は特別機嫌がいい修平を見ると、昨日の夜は満足しましたって顔だよな。
でも昨日、明日もベッドの上で過ごそうかとか言ってたしなぁ……何だかんだ言って今日もなのかな……と、考えごとをしながらコーヒーを飲んでいると。
「今日はどうする?」
朝飯を食べ終わった修平が不意に聞いてきた。その聞き方はどこかへ行くようなニュアンスだった。
あれ? 昨日は『明日は1日中ベッドの上で過ごそうか』って言ってなかったっけ?
でも、どこかに行くようなニュアンスで聞いてきた修平に “今日はベッドの上じゃなかったか?” なんて聞いたら俺がすすんでヤりたいみたいじゃんか!!
ってことは……、昨日の話は無効?
それとも覚えてないとか?
……って、いや、夜に散々ヤったからもっとしたいとか思ってないんだからな!!
そんなことをいろいろ頭の中で考えていると修平が俺の顔を覗き込んだ。
「百面相してどうしたの?」
「……え、いや。なんでもない! そうだ、修平! お前の行きたいとこに行こう! それがいい! 誕生日なんだしなっ!」
「どうしたの? 妙に力こめてるね」
「べ、別に。お前の誕生日なんだから……と、当然のことだろ!?」
焦ってボロが出る前に修平には行き先やらを決めてもらいたい。
すると、修平は微笑みながら俺の手を引っ張って自分の部屋に入っていく。
「な、な、なんだ」
「僕のいきたいとこ」
「お前の部屋がか? おい……」
そしてベッドに座らされると修平が隣に座って俺の顔を覗き込んできた。
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