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24.キスして酔わせて 3
「誰か来た」
俺が立ち上がろうとすると修平がそれを止めてまたベッドに引き戻す。
「きっと何かのセールスだろ? 無視しようよ」
組み敷きながら耳朶を甘噛みし、首筋に鼻をすり寄せるようにしながら何箇所にもキスを落としていく。
「んっ……んぁ……で、でも……」
「今日はずっとこうしてるんでしょ? 早く千秋のナカでイかせてよ」
囁かれた耳が熱い。するとシャツの裾から滑り込んだ修平の指が肌を這いながら上ってくる。
そしてシャツごと捲りあげられると、その胸の突起を弄りながら反対側に吸い付かれて体がびくっとしなった。
そんな時、またインターホンが鳴り響いた。
「あっ、あ……ッ……」
修平の舌が体を這うたびに体を震わせながら、誰が来たのか確認しなきゃって思いがどんどん遠退いていってしまう。
「んっ……ッ、ん……」
「千秋……ねぇ、いいでしょ?」
修平はほんのりと反応し始めたそれをスウェットの上から軽くさすりながら、伺うようにしてキスをしてくる。
「んッ……んん…………」
確かに昼間はセールスが来ることも多いし、この前うっかり出てしまって大変な目にあったばかりだった。
大概セールスの人は留守だと次の部屋へと移動していく。だから無視しても、いいよな……このまま修平と……。
だからそのままやり過ごそうと思ったのだが……。
ピンポーンと、諦めの悪いインターホンの音はまた鳴り響いた。
「……宅配便かな」
こう何度も鳴るインターホンに、居留守を諦めた修平がため息をつきながら立ち上がろうとした時。
ピンポーンピポピポピポピポピンポーン‼︎
今度は連続して鳴り出した。
「な、なんだ!?」
騒々しいインターホンの音にセールスでも宅配便でもないのではと思った俺と修平は、そっとドアスコープを覗いてみたのだが、来訪者は死角に立っているのか肝心の顔が見えない。でも格好からしてセールスでも宅配便業者とも思えなかった。
もしかしたら部屋を間違えているのかもしれないと思い、ゆっくりとドアを開けてみると……。
「やっと出てきた!! おっす千秋、早く出て来いよ。部屋間違えたかと思ったじゃん」
そこに立っていたのは、航だった。
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