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24.キスして酔わせて 8
えっ、修平が航に紹介すんの? 予想外……。
俺が驚いている隣で、航は身を乗り出した。
「修平くん、マジで!?」
「うん。大学の友達だけど」
「修平くんの大学の友達だったら、オレと学力差ありすぎなんじゃ……」
「そういうの気にしなさそうな子だからきっと大丈夫だよ」
修平って女の子の友達がいたんだ。
塾の生徒とかバイトの子でなく、同じ大学の友達?
……いやいや、修平だって女友達くらいいるだろ。
一瞬驚いた自分の思考にツッコミを入れてみるも、いつも話に出てくるのは男の友達ばっかりだったから、女の友達がいるとか思ってもみなかった。
……もしかして、男だと思ってた名前のやつが実は女とか⁉︎
ありえるし!! つか、俺だって男なのに千秋って女の名前みたいだし!!
えっと、修平の友達の名前、名前……。
そんな風に思い出していると修平が俺の顔を覗き込んだ。
「どうかした?」
思った以上に近くにあった修平の顔に驚いて、思わず顔が赤らんでしまう。
「ちょっと顔洗ってくる!!」
咄嗟に席を立つと、「雰囲気だけで酔ったのかな?」なんて航が笑う声が聞こえてきた。
でも言い返すことより他のことで頭が一杯な俺は、冷たい水で顔を洗いながら修平の友達の名前を思い出すことの方が優先で、でも俺が知っている限りではみんな男らしい名前のやつばっかりだ。
健太郎とか蒼輔とか大河とか絶対に男だろって感じの……。
……でも、きっと俺の知らない友達だっているよな。
100%知ってるわけないし、だからこそ信頼感が生まれたんだって思っていたんだから。
そんなネガティブな感情を払拭するためにパチパチと両頬を叩いて2人のいるリビングに戻った。
すると、修平がどこかに電話をしているようで、その隣で目を輝かせた航が様子を伺っている。
「……あ、もしもし。藤原さん? 新藤だけど」
フ、フジワラサンってダレ!?
さっきネガティブな感情は払拭したはずなのに、またフツフツと沸き起こってしまう。
滅多に連絡先の交換とかしないくせに、どうしてフジワラサンとかいう人の連絡先は知ってるんだよ!?
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