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24.キスして酔わせて 9
俺がそんなことを思っているうちに話はどんどん進んでいく。
「そう、この前言ってただろ? それが紹介できそうな運びになったので」
この前言ってた……ってことは、その藤原さんという人は以前にも修平にこういうことを頼んだってことだよな。まぁ、面識ない人には頼まないことだしな……。
と、いうことはそれなりに仲がいいってこと?
……も、もしや、藤原さんとやらは実は修平狙いだったりして。
『彼氏欲しいなぁ~、新藤くんいい人紹介して?』
『え? 藤原さん彼氏欲しいの?』
『うん。どこかにいい人いないかなぁ』
『……そんなの、ここにいるじゃん』
……とかいう展開を狙ってんじゃないのー!?
ヤバイヤバイヤバイ……妄想が爆走する。
つか、気になる。藤原さん。まじで、誰なの。藤原さん。
俺がそんなことを気にしていると、航は別のことが気になっていたようで、修平に耳打ちするように小声で言った。
「学歴気にするか聞いて。オレ、全然頭良くないから。頭の良し悪しは気にするかって」
「……藤原さん。学歴って気にする? その彼が頭の良し悪しを気にするか聞いてくれって」
すると数回頷いた修平は、航に向かって藤原さんが言ったであろう言葉を復唱した。
「学歴は気にしないって。人の頭の良し悪しは勉強で決まるわけじゃないからって」
なんか、藤原さん……男前。
きっと修平に心の広さをアピールしてるんだな。
俺の中ではもう既に藤原さん→修平の図が出来上がっているので、何もかもが気になってしまう。
「……それなら今日、今から会ったら? 鉄は熱いうちに打てだし」
修平は自然な流れで航と藤原さんを会わせることを提案した。
横でそれを聞いた航は「まだ心の準備が……」とか言っていたけど藤原さんの方はあっさりと了解したらしい。
「どうする? 藤原さんはいいって言ってるけど」
「……じゃあ、そう……しようかな。つか、オレ酔っ払いだけど大丈夫?」
するとまた修平はそのことを伝えたが、返ってきた返事は「私もお酒好きだから大丈夫」という返事だった。
つか、酒まで飲めるのかよ。藤原さん。
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