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24.キスして酔わせて 10
そして行くとなれば着々と話は進み、待ち合わせの場所まで決まった。
「うん。あぁ、いつものカフェね」
そう言って修平は通話を終えたけど、俺のモヤモヤは相変わらず継続中。
何、そのいつものカフェって……。すっげー気になる……。
あぁー! さっきから修平と藤原さんの電話を聞いているだけでモヤモヤしまくりだ。
別に浮気とかそんなんじゃないのに、今から会うのは修平ではなく航の方なのに、気になってしょうがないなんて俺ってマジで器が小さいのかも。
その航の方はというと修平が電話を切ってからというものずっとソワソワしていて、少しでも酒を抜くためにシャワーを貸して欲しいというので貸してやる。
航がシャワーを浴びている間、俺は俺で違う意味でソワソワして修平の様子を伺っていたが、修平は平然とした顔をして片づけを始めた。なので、俺も手伝いながら修平が片付けている後ろ姿を眺めたりしていると、暫くして航がシャワーから出てきた。
「……シャワーありがとう。で、このカフェに行ったらいいんだな。緊張するー」
「航くんって緊張しないように見えるのに意外だね」
「オレ、結構緊張する方だよ」
「見えないな」
そんな風に笑いあいにこやかに片付けをしている2人を横目に、それが終わると航は待ち合わせ場所に向かうべく帰っていった。
さっきまで賑やかだった航が帰ると一気に部屋が静かになったような気がする。
部屋には夕日が差し込んできていて、せっかくの修平の誕生日だったのに慌しく過ぎてしまった。
それになんかまだモヤモヤが納まりきらねぇし……。
はぁ……とため息をつくと修平が俺の顔を覗き込んだ。
「どうしたの? ため息なんかついて」
「いや、別に」
ため息を聞かれているなんて思っていなかったので、咄嗟にかぶりを振ったけど修平は様子を伺うように俺の顔を覗き込んでくる。
「別にって顔じゃないよね」
「……いや、なんか……さ、修平の誕生日なのにごめんな」
「どうして千秋が謝るの?」
「……だって航が来たからさ」
そして心の中では見ず知らずの藤原さんのことも悪く思ってごめんと謝った。
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