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24.キスして酔わせて 12
液体が俺の口の中に流れ込んでくる。
「……ンッ……ッ」
口当たりは甘い桃の味なのに後味に苦味というか独特の風味が広がって、修平が舌先を吸ったと同時に思わずごくりと飲み込んでしまった。
「……んっ、これ……酒?」
「そうだよ。飲みたかったんだろ?」
そう言うと、もうひと口含んだ修平がまた俺にキスをする。
飲み込むと喉がほんのり焼けたようなぴりっと熱い様な変な感じがして、それは喉だけでなく頭も熱くなってボーっとしてきた。
「どう? 自分が弱いってこと自覚した?」
確かに俺はめちゃくちゃ弱いんだ。
修平も航も何缶もあけてたのに、俺は2口でこんなんって……。
「だから他の人と一緒に酒なんて飲んじゃだめだからね」
確かにこんなんで他人と飲んだら、その人に迷惑がかかるよな。
でもそう言いながら俺のことを見下ろす修平の目がなんだか冷たく見えて胸が苦しくなった。
「……でもお前が怒ってることと、酒って何の関係があるんだよ」
さっき修平が怒っているって話をしてたのを思い出して聞いたけど、修平は呆れたような顔をして俺のことを覗き込むだけだ。それがとてつもなく苦しい。
修平が何も言おうとしないから、だんだん不安になってきて修平の首に軽く手を回して抱きついた。
「怒ってるのって……さっき航と飲むって言ったこと? ……そんなん冗談だし……わざと言ったんだ」
「なんでわざと言ったの?」
「修平がダメだって……言ってくれると思ったから」
「今日はやけに素直なんだね」
自分でもびっくりするくらい素直な言葉が出てくる。
それにさっきから頭がぼーっとして、なんだか熱くてちょっとふわふわした感じがする。
俺、酔っぱらってるのか?
ふわふわした頭のまま修平のことを見ていると、なんだか修平が悲しそうな顔をしているようにも見えて、怒っているという内容が聞きたくてたまらない。
すると修平は体を起こし俺の体を押し返すとソファを降りて床に座ったので、俺も追うようにして今度は後ろから抱きついた。
「なんで怒ってるか教えて……」
「気になる?」
「……気になるよ。……修平に嫌われたくねぇもん」
なんか、今日は自分でも驚くくらい素直なんじゃね?
これも、ぜんぶ酒のせいなのかな?
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