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25.念ずれば福を呼ぶ⁉︎ 18

商店街広場はとても賑わっていた。 いつもこの商店街は夜でも活気がある方なのだが、今日はやけに人が多い。きっとみんな福引を引きに来ているのだろう。 そして広場の中央の方へと向かうと一層人が集まっているところがあって、そこからカラカラーンとベルが鳴る音が聞こえて来た。 「出ました2等電動自転車!!」 ベルを持った人がそう大きな声で言うと周りの人だかりから歓声が上がる。 「電動自転車だって、他に何があるんだろう!?」 人ごみを掻き分けて商品を見に行くと……。 1等 50V型 4K液晶テレビ 2等 電動自転車 3等 商品券 4等 米 5等 残念賞 ……きっとこの残念賞っていうのがティッシュだよな。 すると航が興奮した様子で俺の背中を叩いた。 「なぁ、千秋! 特賞見ろ! 特賞!!」 「特賞は……温泉旅行!! 一泊二食付き!? マジでか! すげー」 「やっぱり狙うなら特賞だろ!!」 「そーだな! 何でも一番いいやつが欲しいもんな!」 俺らは特賞の温泉旅行に狙いを定め、意気込んで俺たちは福引の列の最後尾に並んだ。 しかし、列はどんどん進んでいくけど、なかなか5等の残念賞以外が出ない。 「やっぱりなかなか5等以外って出ないんだな!」 「そりゃ、簡単には出ないだろ! 5等以外は本数少ないし温泉旅行は1本しかないんだから」 よーし、絶対に当てるぞ!! そう言っているうちにまたカラカラーンとベルが鳴った。 「何等だ!?」 俺らだけでなくみんなが注目していると「3等商品券!!」と聞こえてきて、また人だかりがどよめく。 そうしてるうちに俺たちの順番が回ってきた。 「よーし、千秋がひけよ」 「えっ、でもお前のチケットがほとんどじゃん」 「こういうのってオレが後ろで念じてたら当たるんだ」 「はぁ?」 「今までもな、オレがこうやって後ろから念じて友達が送ったハガキが当たったり、後ろから念じたナンバーズが当たったりしたんだよ。大丈夫、オレ何か持ってるから」 「それ本当かよ」 にわかには信じがたいが、航は俺の背後からなにやらうめき声をあげながら念じ始める。 なんか恥ずかしいんだけど、列も混んできてるしやるしかないよな。 よくわからないうめき声のような航の声をバックに、俺は抽選器のハンドルを握った。 ─────… ────

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