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第7話 2回目の訪問

昨夜は少し飲みすぎた。 調子に乗って赤ワインとテキーラを飲みすぎた。あの後、エイジが帰ってから馴染みの客が来てテキーラ大会になった。久しぶりにあんなに飲んだ。完全に二日酔いだった。幸い今日は何もない、1日寝て過ごす。 夕方18時。 メールが光った。 ”和樹、今日は何してる? ローストビーフをもらったんだけど、一緒に食べない?” 啓司からのメールだ。 ローストビーフ・・・そそられた。 ”今日は家で二日酔いで死んでる。 でも食べたいから、持ってきて” そう返事を打った。 すぐに返事が返ってきた。 ”了解!じゃあ一時間で行く” メールの最後には舌を出している絵文字がついていた。 一時間後、啓司がスーツでやってきた。 今日は平日。仕事帰りのようだ。 「二日酔いって大丈夫?和樹」 そう言って台所で持ってきたローストビーフを取り出している。 「ねえ、ローストビーフを貰うって、どういう事?どこでそんなのもらうの?」 聞いてみた。 「ああ、これ、知り合いのレストランで出してるやつなんだけど、急遽団体予約がなくなって、困ってるっていうから、格安で売ってもらった。和樹はローストビーフ好き?」 「んー。よくわかんない。多分嫌いじゃないはず。遠い昔に食べた事しかないから」 「そっかそっか。まあ、普通そんなにしょっちゅう食べねーよなー。俺も、その店でしか食べないし」 そう言いながら啓司が包丁で塊り肉を切っている。 「ごめん、俺が切ると不格好だわ。ま、味は保証されてるから!」 「うん、なんでもいいよ。その辺のお皿使って」 「おう、勝手に適当にさせてもらってる」 「うん」 和樹はまだ体が少し重い。 「今日は1日死んでた?」 啓司が皿に盛ったローストビーフをテーブルに置く。 ちゃんとマッシュポテトと温野菜も付いている。 「うーん。久しぶりに昨日飲みすぎた。死んでた」 「じゃあ今日はお酒抜き。お茶で乾杯しよう」 そして二人でお茶で乾杯をしてローストビーフを食べる。 美味しい・・・ 空きっ腹だったから、うまさがしみる。 素直に啓司に感謝した。 「な、和樹、今日も泊まっていい?」 啓司が聞いてきた。 「え?明日仕事じゃないの?僕は別にいいけど」 「うん。明日は社内研修で、いつもよりちょっと時間が違うんだよね。しかも、ここからの方が近くって」 「まあいいけど・・・」 「へへ。よかった。実は着替えも持ってきた」 「用意周到・・・」 二人はそのままテレビを見て、うだうだして、一緒に寝た。

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