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捕食者2

 俺は男の上にのしかかった。  夢中でそこを乳首を舐める。  噛み、吸い、指で潰す。  どうやれば感じるのは自分がされてきたので知っている。  男が零す吐息が、 パジャマを押し上げていく男の股間モノが、男が感じてくれているを教えて、俺は泣きそうになった。  この人が俺に感じて、抱かれてる。  いや、泣いていた。  だってこうしたかった  ずっと。  男がクスリと、笑った。  優しい、いつもの笑顔だ。  ホッとした。  首筋を、吸う。  俺の跡がつけたくて。    その甘い肌を舐めながら囁く。  「俺は・・・あんたに夢中なんだ」  これだけは本当だった。  男が怖い。  男がすることを受入れられない。  それでもそれでも、どうやっても。   それを止めたくても。  俺は男に魅せられているのだ。  俺は男の下のパジャマを下着と一緒に剥ぎ取った。  立ち上がっていた。  俺の 下のパジャマも同じように脱ぎ捨てた。  俺のモノと男のものをこすり合わせた。   俺は呻き、男も声を零す。  そうしながら、俺はずっとずっと、思っていた場所に手を伸ばした。  男の後ろの穴。  俺が入れたい場所。  そこに触れるかと思った時、ぐるりと、視界が回った。  「そこまで」  俺は男にのしかかられていた。  男が身体をいれかえたのだ。  男は笑った。  嬉しそうに。  俺の顔を両手で挟みこんで、笑った。  本当に嬉しそうだった。  「信じてやるよ、僕に夢中だってことは」    僕の髪を撫でる。  「意外と巧かったしな。ちょっと最後までさせてやろうかな、とか考えちゃったよ」  男が色っぽく笑った。  俺の弄った乳首が色づいている。  俺のだ、俺の。  そこに手を伸ばそうとして、身体を押さえつけられる。  男はなんなく、片手で俺の両腕を押さえ込んでしまう。  どこにこんな力があるんだろう。  同じような体型なのに  「まだ、ダメ。お前だって、殺しを受入れられないし、僕が殺すのも受入られないんだろ。僕も同じだ。お前に抱かれるのは受入れられない、まだ、な」    男は俺の頬を撫でた。  ご機嫌だった。  あの不機嫌は何だったんだ。  「触るのも始めるのも、いつも僕からで。お前は僕を受け入れないし、触ればとろけても、流されてるだけなのかとか色々考えて、僕なりにつらかったんだよ。でもわかった。お前は僕に夢中なんだよな」  そんな理由で機嫌が治るのか。  この人、本気でただ拗ねていたんだ。  俺は呆れた。  「優しく、してやる」  男がささやいた。  その声にはぞくぞくするよう調子が含まれていて。  あ、やる気満タンだ。  俺は観念した。  気持ちいいから、もういいか。   でも。  「俺は16だ 。まだ背も伸びるし、デカくなるし、強くなる。いつか、あんたを抱く」  これだけは言っておきたかった。  男は愛しげに俺を抱きしめた。  「そうだな。そうなるまでは、僕に抱かれてろ」  男は優しく囁いて、俺の肌に唇を落とした。  悔しいことに、多分俺がするよりもずっと、男の唇は気持ちよかった。      

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