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生存権6
ドン
車の天井が凹んだ。車が揺れた。
次の瞬間、天井がなくなっていた。
綺麗な穴があいていた。
俺はその穴を見上げてしまった。
ゾッとした。
そこから、あの狂犬スゴイ顔で睨んでいるのが見えた。
憤怒の形相だ。
無表情さは消えて、 怒りにつり上がった変わった色合いのグレイの目が、怒りに青く見えた。
怒りに真っ赤に染まった顔は、まさに鬼だった。
狂犬は 、長い腕を伸ばし、あの子を掴んで引き上げた。
強くだきしめてから、肩に抱える。
そして、次に運転席で、深く繋がったままの俺と男に拳を振り下ろそうと腕を上げた。
男がアクセルを踏み込む。
車が急発進する。
俺はハンドルに押しつぶされ、狂犬はあの子を肩に担いだまま、車から振り落とされた。
男は車を走らせる。
俺は呻く。
中に男のモノが入ったまま揺さぶられてるからだ。
「狂犬は、苦しくて動けないんじゃなかったのか?」
俺は男に言う。
さすがに、あの子が置いてまでは追って来ないし車に追い付けるはずがないんたが、走ってきそうな怖さがあった。
「もう、見張る必要ないって言わなかった?なぜか見つけられたのこっちだぞ」
俺の言葉に男は難しい顔をする。
「・・・予想外だったってことだ」
男の顔が真剣だ。
「思っていた以上にあの狂犬ヤバイな」
男の言葉に答えたいけれど、入れられたままなので、俺は、 車の揺れでも、クソ。
喘いでしまう。
「とりあえず抜いて 」
俺は男に訴える。
男は黙ってる。
そのまま運転し続ける。
「あんたコレはこれでいい、とか思ってないか!」
俺は怒鳴る。
男はニヤニヤ笑った。
「まぁ、セックスしながら運転とかしたことなかったし」
男はしれっと言う。
この、変態!
「んなことしなくて、いい、あ、ああ!」
車の揺れに俺はよがってしまう。
「よしよし」
男が頭を撫でた。
完全に抜く気がなかった。
「よしよしじゃねーよ!!」
結局俺は喘ぎなから、そのまま車を家まで運転されてしまったのだった。
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