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捕食者狩り1

 「 あれだけ大勢を殺しているのに見逃すしかないんですか」     部下が嘆く。  捕食者が現れてまだ数年。   誰もまだこの現実に慣れていない。  私もそうだ。  狂犬と青年はが建物から出て行くのを私達は確認する。     「とりあえず、今はこれ以上は殺さないようだし、みまもるしかないだろう。我々ではどうしようもできない」  あの男が言うのだから「想定以上」だと。  青年を前にして笑っている姿は、巨大な身体ではあっても、優しげに見えた。     「こちらから見えている時は、相手からも見えている」   彼からの忠告は受けているが、こちらの監視には無反応だ。  我々人間などどうでも良い、ってことか。  狂犬は間違いなく、男と少年を殺しに行く。  どうやって男達をみつけるつもりなのだろうか。  そして、男はどうやってあの狂犬を殺すつもりなのだろうか。  まあ、言われたモノは用意して渡ししたが。  どう使うつもりなのかはわからない。  さて、どうするんだ?  あの男のずるさにかけるしかない。

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