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捕食者狩り14

 「まさか、最初のプランが役に立つとはね」  ガキが言った。  「ああ」  僕も頷いた。  地下階への穴。  ブルーシートでかくして置いたのは僕だ。  上手くここへ誘導して、狂犬を落とすつもりだつた。  最初のプラン通りにはいかなかったが。  最後に役に立った。  狂犬はそれでもまだ 、作りかけの地下階から、僕達を睨み、吠えていた。  手足のない、化け物。  「待ってる人のところへ行ってやれ」    僕は狂犬に向かって言ったが、聞こえていたかどうかもわからない。  僕は右手の銃で、狂犬を撃った。  頭から胴体の半分ほどが消えた。  もう、さすがに攻撃は出来ないだろう。  それでも身体はピクピクと、蠢いていた。  ガキが膝から下を見つけてきたので、それも撃てるようになるまで待ってから撃った。  残りの部分が集まってくるのを待って、それを撃った。  頭も、脚も手も失った身体に、肉片が虫が蠢ように集まってくるのは 、正直気持ち悪かった。  こんなになってでも、僕達は生きている。  むしろ、この状態の身体を国は欲しがるだろう。  もう、攻撃など出来ない、生きたからだの一部。  でも、そうするつもりはなかった。    僕はあの子に狂犬を殺してやると約束したからだ。  僕達を殺すには時間がかかる。  「ちゃんと殺してもらえて良かったな」  僕はもう完全に消えた狂犬に囁いた。  僕は、いや、ぼくらは、ちゃんと死ねるかどうかもわからないのだ。  国が管理している、一部だけ生き残った捕食者の身体。  あいつらの魂はどうなっているのたろうか。  いや、僕達に魂なんてあるのだろうか。  せっかく、あの子が迎えにきても 、狂犬の魂なんて最初からなかったのかもしれない。  「僕達は何なのだろう」  僕は呟く。   どうして、ここまで死なないのか。  この不死身の身体はまるで呪いのようだった。  

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