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第7話

 後ろの準備をさくっと終わらせてベッドに戻ると、傑はスマホを触りながらだらだらしていた。 「いま、ディルド調べた」 「ええ……いる……?」 「優ちゃんが挿入れられるように練習しておこうかと」 「俺は挿入れたい欲求そんなにないから、焦らなくていいよ」  あやすように唇を吸いながら、下腹部を触る。さすがに萎えているちんこを触りながら様子を伺った。 「イってないけど、まだムラムラする?」 「する」 「じゃあ、俺に挿入れていい?」 「いいよ……」  ずいぶん大人しい傑のまだ勃っていないものを口に含んだ。べろを薄くして迎え入れると、反射で唾液が出てくる。 「え、ちょっと」 「フェラ苦手?」  口から離した拍子にちゅぽん、と音が鳴る。傑は引きつった顔で顔をしつつも「続けて」と囁いた。  さすがにノンケにフェラは刺激的だったか。  そう思いながらも舌を這わせて、唇と手で扱くとむくむくと大きくなっていく。さっきまでドン引きしていたくせに、白い肌を赤く染めている。 「男のくせにフェラがうまいってなに……」  髪がくしゃりと乱される。どうやらお気に召したらしい。潤んだ瞳で俺の口と自分のものの結合部をガン見している。  しっかり勃った唾液と先走りで濡れた先端を撫でて、ゴムを被せるとふうふうと息をしている傑に跨った。 「みてて」 「うわ……」  熱く熟したそれを縁にあてがった。  体内を犯すことへの期待に染まった美しい顔を見下ろしながら、ゆっくりと体重をかけていく。久しぶりの熱の重さに背筋が震えて、一気に飲み込んでしまった。 「あっ、ん、やば……」  容赦なく中を擦ってしまい、下腹部で快楽が小さく弾ける。 「……男でもそんなかわいい声でんの」  ぽつりと呟いた傑に腕を掴まれる。あ、と思った瞬間に体内から熱が抜かれ、視界が反転していた。見下ろしていたはずの傑に見下ろされている。 「たまんないな」  薄い唇を舐めて傑が笑う。  榛色が自分の下で蕩けていく様が見たかったのに。  これはこれで悪くない、なんて思ってしまった。  骨張った手で腰を掴まれ、もう一度ひたりと熱があてがわれる。たいした抵抗もなくぬるぬると飲み込んだ熱をわざとしめつける。逆光になった榛色が獰猛な欲を浮かべた。 「キスしたい」  細い首に腕を回しながら請うと、望みのものはつつがなく与えられた。  薄く蕩けた舌に口の中を掻き回されながら、戻れなくなったらどうしようなどと考えていた。  傑はひどくゆったりとした笑みを浮かべて腰を打ちつける。  媚肉を甘やかすような腰つきにさすがとしか言いようがない。夜の営みの方もNo.1のようだ。  女の子の柔肌を撫でるみたいな指先にくらくらする。このままでは女の子にされてしまう。  恥ずかしくて腕で顔を隠すと、上から舌打ちが聞こえてくる。 「顔かくさないで」 「は、はずかし……」 「セックスってそういうものでしょ」  その通りなのだが、これはなんというか。  隠していた手はシーツに押しつけられた。その手が、指の先までピンクに染まっている。ちらっと傑の顔を見ると、白磁の肌に汗が滴っている。目は獰猛さを浮かべながら快楽に蕩けている。  俺のナカ、気持ちいいんだ。  そう思ったら愛おしさがこみあげて、中をきゅうと締めつけてしまう。 「まだ挿入れてたいのに、むりそ……」  切なそうに眉尻が下がる。 「おれもいくから……」  手を伸ばすとキスをしてくれる。細い肩に手を回して抱きしめた。  腰遣いが荒くなる。汗ばんだ胸と胸が触れて、離れて、ふれて。そのたびに一瞬聞こえたような鼓動と熱さに、この美しい造形が生きていることに興奮する。  薄い肩が快楽に身を震わせた。耳元でうめいた声があんまりにも色っぽくて、気づくと俺も達していた。  ぴりぴりとした快感で指先を震わせていると、傑が離れていく。 「ぜんぜんもたなかったや」  照れくさそうに。恥ずかしそうに。  その顔を見てやっと思い出した。セックスって恥ずかしくて気持ちいいものだった。

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