「やだ、ゆう、これ以上はっ、あっ！」 「痛い？」 「いたくはない、けどぉ」 　ぐずぐずと鼻を啜っている白いうなじに口づけをする。 　風呂の縁に捕まって、俺にしりを解されている。 　頑なだったそこは、ようやくほぐれてきて、いいところも見つけた。 　可哀想なことに、風呂とトイレを往復させた時にはもう半泣きぐらいだった。 　以前は自分で頑張っていたくせに、こんな屈辱的なことがこの世にあったとは、とかなんとか言っていた。 　俺に見られながら洗浄するのが嫌だったらしい。 　屈辱的で、恥ずかしくて、でもおしりで気持ちよくなりたい傑はかわいい。 　何度もあやすようにキスをして、たまにちんこを触ってあげたら快感を思い出してまたがんばってくれる。 　そして綺麗になったおしりを、俺にいじくりまわされながら喘いでいる傑もまたかわいいのだった。 「ここ、きもちいい？」 「わかんな、いっ。むり、そこ、あぁぁッ」 　少し強めに押してあげると、苦しげな声で喘ぐ。 　前立腺を触るのは二回目だが、感覚が鋭くて慣れないらしい。 「傑、自分でちんちん触れる？」 「ん、んっ」 　こくこく頷きながら、縁をつかんでいた手が股の間に向かう。 　少し勃っているものを握ると、慣れた快楽を追って自然と手が動きだす。 「すぐる、かわいい。安心してきもちよくなって」 　快楽に波打つ背中のタトゥーにキスを落とす。小ぶりな翼は傑の細い背中によく似合っている。 　ナカに入れた指でゆっくり直腸をかき混ぜ、広げながら前立腺を撫でる。 「ちんちんで気持ちよくなるの、上手だね。手伝ってあげる」 　手を重ねると、傑の手から力が抜けていく。 　ぬる、と先っぽを濡らす液体に触れたら、薄い唇が切なそうに声を漏らした。 　美しい男はちんこまでなんだか美しい。 　ずいぶん使われている感じはするが、そこはかとなく神々しい。 　時代が時代ならきっと祀られていたに違いない。 　これが俺の中に入ったのだ、と思ったらたまらなくなる。 　うんと気持ちよくせねばと傑の泣きどころを探った。 　裏筋から、陰嚢まで、指でたどって快感をくすぐる。 　もどかしいのだろう、自ら伸ばした手で亀頭を撫ではじめる。 　それでは足りないようで、俺の手に擦りつけるようにして腰をゆらめかせる。 「っぁぁぁあ！」 　揺れた反動でほぐしていた指が前立腺にあたる。 　恐れと快感が混ざったような喘ぎ声が風呂場に響いた。 　怖いのにきもちいいようで、だんだんちんちんではなくて、ナカでの快感を追い始めている。 　もっとはっきりした快感を求めて、縁がきゅ、と指を締めつけてくる。 「ゆうちゃ、もっとつよくしてっ」 　ちょっと振り返ってねだる眉尻が切なそうに下がっている。 　かわいそうだな、と思ったが、耳たぶの裏にキスして誤魔化した。 「けちっ、あぁっイキたいっ、ゆうちゃんっ」 　甘ったるく名前を呼ばれると、俺もすぐ絆されそうになる。 　いっそのこのまま、と思ったが、イって寝られたら困る。 　俺のちんこも臨戦状態だというのに。 「今日、これ挿入れるんでしょ」 　むっちりしたおしりにちんこを擦りつける。 　それまでゆらゆらしていた腰がぴたりと止まった。 「うん……」 　小さな返事は期待で色っぽく染まっていた。