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第26話
傑の尻をしっかり洗って風呂場を出た。
その間、傑は借りてきた猫のように大人しくされるがままになっている。
少しは反省、というか悪いことをした自覚はあるらしい。
ホストで、だらしがなくて、快楽主義なのはわかっている。
それでも三ヶ月の制約が終わった時、別れると言わなかったのは傑なのだ。
もう少し気を遣ってほしいと思ってしまう。
「アオト、ごろん、ってして」
「え、なに突然」
「今日、俺はアオトも傑も抱くんだ」
「何言ってるんだこの酔っ払いは」
やれやれと首を竦めながらも、傑はベッドに横になってくれる。
透き通るような肌の白さに目を細めて、薄い腹にキスをした。
暖房は服を着ていればちょっと暑い程度に。部屋の明かりはベッドサイドランプの猫ちゃんをつけた。雰囲気は完璧。
とんとん、と肩を叩かれた。
これはキスのおねだりだ。お望みどおりに唇を触れ合わせると、首に腕が回ってくる。
「俺を満足させてくれよ、王子様」
きゅ、と口角があがる。
白い歯がちらりと見えるのがたまらなくて、思わず吸いついた。
シャワーに入ったおかげで、酒はいくらか抜けたが、まだ頭の隅をもやっとさせている。
柔らかい唇を何度も吸い、迎え入れるようにできた隙間から舌をさしこんだ。
熱い粘膜が触れると、とたんに榛色がとろけた。
いつもはお姫様をメロメロにさせている魅惑の榛色が、男にキスをされて蕩けている。
こんな顔、誰も知らないんだろうな、と思うと少しだけ優越感が騒ぐ。
少しだけ、じゃないかもしれない。とても優越感に浸っている。
傑の弱いところを手でなぞりながら、舌を絡めて、歯列をなぞる。
唾液で溺れそうになるギリギリを見極めて、くちびるを離して、また吸って。
至近距離でとろけていく様を見守っていると、俺の視線から逃れるように瞼が伏せられた。
「も、キスながい……」
「ごめん」
快感で濡れた睫毛に口づけして体を起こした。手にしたのはさっき買ったローションだ。
「今日はアオトくんの乳首をかわいいくしていこうと思います!」
「かわいくって……」
「ぷっくりえろ乳首になったら、女の子の前で脱げなくなるかなあって」
「いや、何考えて……」
傑の体を起こして、後ろから抱きかかえた。
身長がほとんど変わらないせいで、傑の頭が顔にぶつかる。柔らかい髪の中に鼻を埋めて息を吸うと、俺が使っているシャンプーの匂いがする。
幸せを噛み締めながら白い肌に手を這わせた。
白磁の肌の上で、澄ました顔をしている飾りに触れる。俺は傑のここが、人並み以上に感じやすいことも知っていた。
つん、と指先で触れた。
まだやわらかい。つんつんと何度も触れているうちに、どんどん指先の皮膚を押し返すようになる。
「優ちゃん、何考えてるの……」
「ん? かわいい乳首だなって」
「や、そういうことじゃなくて……あッ」
いじらしく勃った乳首にピンクのローターをあてた。
ぬりつけたローションがわずかに飛んで、傑の肌を汚す。
「ん、っぁ、やば」
あからさまな性具に顔をしかめていたくせに、薄い唇から甘やかな吐息をもらしている。
「きもちい?」
「見ればわかるだろ……」
バイブレーションをあてている方とは反対の乳首をつまんで、軽く爪をたてた。
「あぁッ……」
きもちよさそうに背筋がのけぞる。
なんのためらいもなく声をあげる声がかわいらしくて、喉仏に歯をたてた。
それにさえきもちよさそうにうめいている。
脇腹を辿り、足の間を触るともうすでにやんわりと勃っている。
焦らすように優しくローターをあてるとたまらないらしい。ゆるんだ唇からよだれが垂れている。
「すっかり気持ち良くなれるようになったよね」
「だれのせいだと……」
「俺か」
むずむずした顔でローターを見下ろしている。
指で触ってほしそうだが、ローターは離さない。
先走りを垂らし始めたちんちんを触ってあげる。
ローションと体液を混ぜるように先っぽをいじった。きもちよさそうに唸っている。
ぬるぬるの手のまま、ローターをあてているのとは反対の乳首をいじる。
強弱をつけながら、きゅ、きゅ、とつまんだ。
細々とした息を吐いてきもちよさを耐えようとしているが、肌はほんのりとピンク色だ。
あとがつかないぐらいに肌を吸ったり、戯れにちんちんを触っていると、傑の体がびくっと震えた。
「すぐる?」
「て、とめろ」
「いやだ」
「い、いいからとめろっ! なんかやばいんだって……!」
「だいじょうぶだよ。そのままいこ」
確実に上り詰めていく傑の体に追い討ちをかける。
ぷっくりと硬くなった乳首は、爪をあてるだけできもちがいいらしい。
触り方はそのままに、乳首だけできもちよくなっていく傑の横顔をじいっと見つめる。
「やだ、優ちゃ、あっ……あッ」
背筋がくうっと反り、小刻みに痙攣するとゆるりと弛緩した。
真っピンクに染まった白い肌は、じんわりと汗が滲んでいる。
いまだ余韻に浸っている体を撫でると、ぴく、と小さく痙攣した。
「乳首だけでいけたね」
「信じられないんだけど……」
ゆるんで重たくなった体に、足を開くように促した。内腿を触り、達したのにまだ元気な昂りの根元を撫でる。
腕の中でもぞ、と動いた傑の手が俺のちんこに触る。
「勃ってないじゃん」
「ん……まだ酔ってるから……」
「そんなんで俺のこと抱けるの」
乳首でとろとろになっていたくせに強気である。
「ん〜、傑のお尻が解れる頃には勃ってるよ」
「生殺しはやめろよ」
先走りで汚れて手をとられて、手の甲にキスされる。
生殺しにする予定はない。
今日は傑が女の子を抱けなくなるくらいとろとろにする予定なんだ。
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