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癒しのお憑かれ温泉旅行 第302話

「綾乃、たしか莉玖のベビーオイルがあったな」 「え?うん、あるけど?」  莉奈がしょっちゅう話しかけて来るので日頃から地下室(ここ)で過ごすことは多い。  そのため、ここにも一応一通りのものは置いてある。 「持ってきてくれ」 「いいけど……はい、こんなの何に使うんだ?」 「ローションの代わりだ」 「ローション……?」  なんでそんなものが必要なんだ? 「まぁ綾乃はすぐにトロトロになるからあまり必要ないとは思うが……」 「はい!?え、オレに使うの!?」  思わず尻を両手で隠す。 「そこじゃない。今日は突っ込まないと言っただろう?」  由羅はちょっと苦笑するとオレを抱き上げて自分の膝の上に座らせた。 「え!?」  ちょっと待て……由羅にバカにされたのが悔しくてつい「一回でおぼえてやる!」と息巻いたものの、そういえば、オレは一体なにを練習することになったんだ?  えっと……さっきの話の流れ的に自慰行為(ソロ活動)のことだよな?  じゃあなんでオレは由羅の膝の上に座ってるんでしょうか……!?  って、おいこらっ!尻を撫でるな!尻をっっ!!  なんとか膝から下りようとしたが、由羅にホールドされていて動けなくなっていた。 「ゆ……由羅?」 「なんだ?練習はやめておくか?」 「やめねぇよっ!!じゃなくて、あの、オレ下りたいんだけど……」 「なぜだ?」 「だって、この座り方はちょっと……オレ裸だし……」  ……す、素っ裸で膝に跨ってるの……恥ずかしいんですけど!? 「私も脱げと?」 「……はい?」 「まぁそうだな。どうせなら脱いだ方がいいか……じゃあ綾乃が脱がしてくれ」  なぜそうなる!? 「ほら」  由羅が真顔で両手を上げた。 「え、じ、自分で脱げるだろ!?」 「綾乃が(そこ)にいるから脱げない」  じゃあ下ろしてくれませんかね!?  あ~もう!! 「わぁ~ったよ!!」  押し問答をするのが面倒になって、ガバッと由羅の服を上に引っ張った。 「ほら、立て!」 「ん?」 「下は座ったままじゃ無理だろ!?」  上の服を脱がしたオレは、由羅の手が離れた隙に膝の上から下りて、由羅を引っ張り起こした。 「あぁ、いや下はさすがに自分で……あ、ちょ、綾乃!?待……」  由羅が焦って制止する声が聞こえたが、半分ヤケクソになっていたオレは構わずに子どもの着替えをさせる感覚でガッと一気に由羅のスウェットパンツと下着を下ろした。  よし、これでいいだ……ろ?…… 「ヒェッ!?……」  由羅の足元にしゃがみ込んでいたオレは、不意に顔をあげて思わず短い悲鳴を上げた。  よりにもよってオレは一瞬相手が由羅だということを忘れていたのだ。  相手が子どもならオレが顔をあげるとそこにはちょうど可愛い顔があるはずなのだが……残念ながら今のオレの目の前には……由羅のがそびえ勃っていた。  今までもチラッとは見たことがあったが、思いがけず超至近距離でご立派なを直視してしまったオレはそのまま固まった。 「だから、待てと言ったのに……」  由羅が額を押さえつつ小さなため息交じりに呟いたが、オレはそれどころじゃなかった。  ヤダなにこの凶悪なの……めちゃくちゃエグイんですけど!?全然可愛くないっっ!!  デカいのは知ってたけど、こんなデカかったっけ!?  え、っていうか今結構普通にやり取りしてたのになんでこいつこんなに……ずっと臨戦態勢保ってるんだ!?普通萎えるだろ!?  っつーか、あの時、コレがオレの尻に入ってたのか!?  マジかよ、よく頑張ったなオレの尻ぃいいいい!!  頭の中は大騒ぎだが、身体は(まばた)きひとつ出来ないくらい硬直していた。 *** 「おい、いつまでソコにいるつもりだ?」 「……」 「綾乃?聞こえているか?」 「ん……?」  頭を撫でられた気がして、(おもむろ)に由羅を見上げた。 「あ~……その……このアングルは最高なんだが……んん゛、いや、すまないがちょっと顔を離してくれないか?そんなに凝視されるとさすがに……照れる」  由羅がツツッと視線を逸らして軽く口元を手で隠した。 「……ぇ?」 「口でしてくれると言うならそれでもいいが……」 「へ?……く、ち……?あっ!ぅわぁっ!?」  由羅に言われてハッと我に返る。  由羅のに衝撃を受けたオレは、由羅の両太ももを掴んで今にも由羅の股間に顔を埋めそうな勢いで凝視していたらしい……  なななにやってんだオレ!?  慌てて離れようとして尻もちをついたオレの前に、由羅がしゃがみ込んだ。 「ほら、大丈夫か?」  由羅は腰が抜けたようにへたり込むオレを抱き上げてまた膝の上に座らせた。 「さてと、それじゃ始めるか」 「え!?な、なにを!?」 「練習するんだろう?」 「はい、そうでしたね!って、あの……れ、練習って……な、なんの?」 「……ヌいてくれるんだろう?さっき綾乃が言ったじゃないか」  由羅がちょっと呆れたように首を傾げた。  あ、そういえば、さっきオレが由羅に「ヌきましょうか?」って言ったんだっけ……?  あれ?じゃあ練習って……オレが由羅のをヌく練習ってこと!?  オレはようやく自分の勘違いに気付いた。 「なぁ、あのさ、やり方を教えてくれるんじゃねぇの?」 「あぁ、そうだが?実践で教えてやるから頑張って覚えろよ」  由羅はフッと笑うと、ベビーオイルまみれの手でオレのモノを握ってきた。 「ヒァッ!?」  な、なんだ!?  由羅の体温とヌルヌルの感触に一瞬腰が跳ねた。 「綾乃、もう始めていいか?」  思わず由羅の首にしがみついたオレの耳元で、由羅がボソリと囁いた。 「握ってから聞く……んっ、な……ぁ」 「一応断っておかないと、あとで文句言われそうだからな」  だったら握る前に言え――っ!! ***

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