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3話

気づくと保健室で寝かされていた。 保健医がいなかったので、勝手に怪我の手当をしてベッドに横たわった。 僕にはもう抵抗する気力がない。抵抗しても無駄だからだ。 高校に入ってすぐはただのクラスの端っこにいるやつだった。 元々標的が学校から居なくなったら次は僕になった。 最初は前髪が長いと言って髪をひっぱられるぐらいからだった。 皆に刺激が足りなくなると徐々にエスカレートして行った。 先生達は見て見ぬふりを続けている。荒波を立てると他の子が被害者になるからだ。 何も言わない僕が最適と考えているのだろう。 いじめている側も高校生の子供だから金を渡すとみんな喜んで遊びに行った。 殴られない権利を買ったと思えば安かった。 芸能活動をしていた頃は大人から子供まで沢山の人に陰であることない事を言われた。 言葉も暴力という事にみんな気づいていないのだろうか。言葉もお金で買えるのならなんていい世界なんだろうか。 心の中で訴えてもどうにもならない。 芸能活動は僕にとって辛い思い出しかない。併せて父のことも一緒に思い出すからかもしれない。

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