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13話
僕の鬱憤が爆発した後、クラスを鎮めたのは仁山だった。
仁山は先生に
「こんなの見せられたら失神するかキレるかのどっちかですって」
と笑って誤魔化してくれた。
担任は白々しく「気づけなくてごめんな」とか言って謝っていた。
気づいて無視したくせにとは思ったが「はぁ…」と少し困った顔でその場を凌いだ。
面談とかカウンセリングで帰る時間がすっかり17時頃になっており、校舎には誰もいなかった。
校門を通る時に仁山に話しかけられた。
「今日はおつかれ」
「ありがとう。なんで待ってたの?」
「とりあえず謝りたくて。学級委員として何も出来なくて、許してもらうとかそう言うことじゃないけど」
「いいよ。あんな空気で誰かを助けるとか無理だし。仁山は暴力は辞めさせてくれたり、色々なところで抑制してくれてたじゃん」
「俺は、いじめがあっても毎回なんも出来ないんだよ。これからはどうしたい?」
「とりあえず、放置されたい。暴力がなければとりあえずはなんでもいいよ」
「学級委員だし、立花が出した勇気を無下には出来ないよ」
仁山はいじめに若干加担してるように見せかけて、色々と抑制していた。
先生に言っても無駄ってことも初めの段階で気づいていた。
だからこそ、僕は仁山が最初に提示した条件が分からなかった。
それから僕はみんなから無視をされた。
教室にいても空気のように扱われる。
好きの反対は無関心と言った奴は、人に無視されたことが無いんだろう。
心にも肉体にも傷にを負うより、何もされない無関心の方が良いに決まっている。
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