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それは必然だったのかもしれない。1
気持ちがいい。
何だ、これは。
こう、何かに包まれているような
温かくて気持ちいい。
ああ、ずっと、このまま……。
何処だ、ここは。
目を覚ますと、見知らぬ天井が視界に入った。
ベッドの上、そして何故か全裸の、俺。
一体どういう状況なんだ。
確か仕事の帰りにバーへ寄って……、と思考を巡らせているとザーとシャワーの音らしきものを認めた。
待て、俺は1人ではないのか。
更に混乱した。本当にどんな状況だ。
バーで女でも引っ掛けたのか。
憶えていない。そもそも女と決まったわけじゃない。
俺はバイセクシャルだから男の可能性もあるな。
どちらにせよ、俺はバリタチだから喰ってしまっているに違いない。
この状況からするに間違いを起こしたことは明白だろう。
でなければ全裸の俺の説明がつかん。
しかも憶えていないという最悪の展開。
バスルームの向こうの人、申し訳ない。
とにかく相手に謝らなければとその人を待つ。
最悪、平手の1発や2発は覚悟しておこう。
全てはバーで記憶が飛ぶほど飲んだ俺の落ち度。
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