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特別サービスです、お客様♡ 2

俺と涼くんはあの夜から何度か会っては身体を重ねたり、食事をしたりという所謂セックスフレンドのような関係が続いていた。 彼の職業について聞いた時 俺も店で君を指名するべきだろうと言ったことがある。 すると 「え? 僕が黒沢さんとシたいだけだから、やめてよ指名とか。 あとお店にも来ないでよね」 と言われてしまった。 その時の涼くんの顔は悲しいような、怒っているような、なんとも形容し難い表情だった。 彼に想いを寄せている俺としては、そこまで言われては進むものも進めず何も進展のないまま今に至る。 俺の気持ちを知ってか知らずか涼くんは毎度約束を取り付けてからやって来る。 ある時は会社の前、ある時はこうして俺の家の前。 いずれも必ず事前に連絡がある。 だが、今日は違った。 急に、本当に急に来たのだ。 俺としては会いたいと思っていたから嬉しかったし仕事がなければ誘うところだった。 彼が俺をどう思っているのか知らないが 少しは期待してもいいのだろうか。

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